結論的に、当面の為替の見通しを、米ドル/円で確認すると、年末まで108~110円中心のレンジ相場、また年明け1~3月は109~111円に水準は上方修正する。とはいうものの、やはりレンシ相場、そして来年4月前頃からいよいよ、米ドル/円は115円に向けて上放れるといったイメージになるが、果たしてどうだろうか。

以上は基本的に、1998年以降のNYダウを、米ドル/円の行方を考える上で参考にしたものだ。この数ヶ月の米ドル/円は、NYダウで比較的説明できる(図表1参照)。

【図表1】
出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

そのNYダウは、1998年の値動きに似ている。その関係がこの先も続くなら、「NYダウ=米ドル/円」の行方は、1998年のNYダウを後追いすることになる、それが冒頭のシナリオになるわけだ。

投資とは、先を読むもので、後講釈は原則的には全く意味がない。そうであるなら、1~2ヶ月前といった過去の結果でしかない経済指標などを分析するファンダメンタルズ分析というのは、そのままでは基本的には投資に役に立たないので、役に立つ工夫が必要だろう。

一方、先を読むといっても、明日のことなのか、1ヶ月先か、1年先か、要するに「いつ」といった「日柄」の意味は重要だ。その上で、「いくら」といった「価格」が、予想の大前提になる。そんな「いつ」「いくら」をより具体的に明示することで、予想する側と、それを聞く側の彼我の差が縮まり、誤解されるリスクが低減するだろう。