先週バークシャー・ハサウェイは新規上場株に投資をすると発表

バークシャー・ハサウェイが8月に日本の商社5銘柄の5%を取得したことが判明し、日本の株式市場でも大きな話題となりました。先週、今度は米国株のIPO(新規公開株)に投資をする計画があるというニュースが報道されました。

ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイは、クラウド技術を活用したビッグデータの保管・分析サービスを提供する米スノーフレークの株式をIPOで2.5億ドル相当(約265億円)を購入し、上場後には追加で400万株購入する意向があることを発表しました。これで、スノーフレークは上場する前からバークシャー・ハサウェイのお墨付きを得たことになります。

8月に発表した日本の商社株への投資は、「外国株への投資」そして今回の「テクノロジー株のIPO」への投資は今までのバークシャーの「アメリカ」、「バリュー投資」という投資スタンスからの大きな方向転換となります。

90歳のウォーレン・バフェットと、96歳のチャーリー・マンガー

バークシャー・ハサウェイでは、今まで長期に渡りウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガーの2人が投資判断を下してきました。しかし、ウォーレン・バフェットはつい最近90歳の誕生日を迎え、彼の長年のパートナーであるマンガーに至っては96歳のご高齢ときています。バフェットは、2020年の5月の株主総会では4時間以上に渡って話し続けました。彼の頭脳のいまだに明晰であり、彼は人並外れた体力を持っていることを証明しました。とは言うものの、この2人が高齢なことは、アメリカを代表する上場企業である同社の株主にしてみればリスクとして見られたとしても仕方がないことかも知れません。

そのことを1番分かっているのはウォーレン・バフェット本人でしょう。
2010年のことです、バークシャーは、同社の大切な資産である莫大な規模を誇る株式ポートフォリオのファンド・マネージャーとして、テッド・ウィシュラーとトッド・コムスの2人を採用しました。この2人はバークシャーでの株式の運用の仕事を始めて無事10年が経ちました。ウィシュラーは58歳であり、コムスは49歳です。

人生100年と言われている私たちの今の世界において、バフェットやマンガーと比べると明らかにこの2人は若者だと言えるでしょう。

新しい視点での運用が始まるバークシャー・ハサウェイの株式ポートフォリオ

当初はそれぞれが146億ドル(現在の為替で約1.55兆円)の株式の運用を任されていたと言いますが、現在2人が一緒に運用を任されているポートフォリオの規模も2000億ドル(約21兆円)を超えたと言われています。この10年間バフェットらの下で働いてきた2人ですが、ウォーレン・バフェットやチャーリー・マンガーに実力を認められてきたのでしょう。

今回のバークシャー・ハサウェイの日本株と米国株IPOに対する投資は、この2人の調査分析の結果であり、バフェットとマンガーの2人がそれに対して特に反対をしなかった結果実現したのだと私は見ています。バークシャーが2020年の6月末日で保有する現金は約1500億ドル(約16兆円)です。今後この莫大な現金を使い、投資の判断をしていくのはこの若手の2人となるはずです。その結果、私はこれから発表されるであろうバークシャー・ハサウェイの新規の投資銘柄についても、今までとは違う視点で分析された銘柄が出てくるのだろうなと考えています。