FX取引は大変利便性が高く、あらゆる発注と手仕舞いの方法がありますが、今回はどうやって取引が成立するのか、注文の基本パターンについてお話しします。
取引の基本は、米ドルなどの「外貨を買った」場合は「売り決済」することで、「外貨を売った」場合は、それを「買い戻す」ことで1回のトレードが成立終了します。これによって、利益もしくは損失が確定します。
カンタン用語解説
・トレード=取引
・ポジション=外貨を買ったり、売ったりした際の持ち高
・レート=価格
・エントリー=注文が執行されポジションを持つこと
・約定=注文が成立すること
注文方法基本編
指値注文
トレードでは、利益はできるだけ大きく、損失は小さくするため、エントリーするレートは非常に重要です。
たとえば、米ドルを買おうとする場合、買値はより安いレートで、米ドルを売る場合はより高いレートでエントリーしたいですよね。現在のレートより安いレートになったら買う、現在のレートより高いレートになったら売る、という希望を執行してくれるのが「指値注文」です。
指値注文では「110円85銭で米ドルを買う(または売る)」というように細かくレートを指定することができます。指値注文は、外貨を買う場合現在のレートより安くなるのを待つ注文スタイルです(外貨を売る場合は現在のレートより高くなるのを待つ)。
ポジションを保有したら、ここまで上昇(下落)したら決済して利益を確定させようという注文を置くことができます。この場合は「指値注文」を使います。たとえば、買いポジションを保有した場合、約定したレートより高くなったところに置く注文です。
逆指値注文
一方で「逆指値注文」という注文スタイルもあります。これは、買いたい外貨が現在のレートよりもさらに高くなったところで買うという注文を実現させるものです。
何のためにより高い価格で買うの!?という疑問も出てこようかと思いますが、相場が強く、勢いが加速して上昇局面になることがありますね。こうした大きな相場の流れに乗ろうというのが「逆指値注文」です。
マーケットには「上げ100日下げ3日」という格言も存在し、下落時は皆がポジションを投げるのでスピードが速いとされています。米ドル/円レートがこのレベルを割り込んだら下落が加速するだろう、というチャートの節目に「逆指値の売り注文」を置くことで、暴落をも利益に変えるスタイルのトレードも可能になります。
成行注文
もっとも簡単なのが成行注文です。今すぐに米ドルを買いたい、売りたいという時に使います。
ただし、取引が成立するレートを指定できませんので、相場の変動が大きい時に成行注文を出すと、思わぬ高値で買い注文が成立したり、思わぬ安値で売り注文が成立したりすることもあります。
ですからボラティリティが上昇している時(経済指標が出た後など価格変動の大きい時)の成行注文は利益を上げにくくなるケースがあることに留意しておきましょう。新規にポジションを構築する際には成行注文ではなく、希望のレートで注文が成立する「指値注文」や「逆指値注文」を使うことをおすすめします。
また、保有している外貨を決済する場合にも、成行注文が使えます。今すぐに決済してポジションを手仕舞いたい時に成行注文を使って損失を拡大するリスクを軽減するという使い方もできます(基本的にはポジションを持った時に、ロスカット注文を置くことをおすすめします)。
注文方法応用編
IFD(イフダン)注文
新規の注文(一次注文)が成立したら、同時にその決済注文(二次注文)を出す注文方法です。
たとえば、逆指値で買えたら自動で利食い売りを入れたい、という希望をかなえる注文の組みあわせができます。
OCO(オーシーオー)注文
2つの注文を同時に出しておくことができる注文方法です。1つの注文が成立したらもう1つの注文がキャンセルされる仕組みです。
たとえば、現在のボックス相場を抜けたら円高か円安に大きく値が動くと予想した場合、現在値は100円だが、102円に「買い」(逆指値)注文と、98円に「売り」(逆指値)注文を同時に出すことができます。どちらかの注文が約定することで、もう片方の注文は自動的にキャンセルされます。
IFDOCO(イフダンオーシーオー)注文
新規の指値注文と、決済時の利益確定注文(指値注文)、ストップ・オーダー(逆指値注文)をすべて同時に発注できます。
新規注文時点で決済時のOCO注文を設定することで、利益を伸ばし損失を限定させるための準備ができます。