皆さんは「ふるさと納税」をしているでしょうか。お得な制度と認識されるこのふるさと納税、今年は昨年までとは様子が違ってきました。ですが、お得な制度には変わりありません。

今年、ふるさと納税をするときの注意点などとともに、制度について改めて見てみましょう。

今年のふるさと納税は“指定自治体のみ”に

今やテレビコマーシャルまで放映されるようになったふるさと納税、始まりは2008年でした。過疎化による地方の税収減や、地方間格差をなくす目的で導入された地方への寄付制度です。

当初はあまり有名なものではありませんでしたが、寄付額から2,000円を差し引いた金額が翌年の住民税や所得税から還付・控除され実質2,000円で寄付額の3割ほどの返礼品をもらえるために「お得だ!」と注目を浴び、この数年で多くの人が利用するようになりました。

そして、起こったのが自治体の返礼品競争です。各自治体が多くの人の注目を集めて、より多くの寄付をもらおうとするようになり、国が規制をかけると発表をしたことは記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。

その規制とは以下の2つ。

・返礼品は地場産品に限定する
・返礼品の金額は寄付額の30%以下

これらを守らなかった自治体は、違反自治体とされ、「指定自治体」から外されてしまいます。つまり、寄付をしても所得控除、住民税の特別控除などが受けられず、単なる寄付で終わってしまいます。

指定自治体から除外される仕組みは6月1日から始まります。現在、地場産品以外の返礼品を送付しているとされている自治体は100自治体、返礼割合が実質3割超の返礼している自治体は52自治体とされています。人気のある自治体も含まれているので、今年のふるさと納税は注意が必要です。

それでもふるさと納税はお得

返戻割合が3割以下となると、お得度がぐんと下がる気がしてしまいますが、ふるさと納税はそれでもお得なのでしょうか。

ふるさと納税は実質自己負担額が2,000円なので、1万円以上の寄付をすると自己負担以上の返礼品がもらえ、お得です。控除される金額は年収や家族構成により上限が異なります。年収500万円の夫婦で配偶者控除がある場合、上限の目安は4万9000円ほど。寄付で先に4万9000円支払いますが、税金が4万7000円安くなり、寄付額の3割以内となる1万4000円ほどの返礼品を受け取れます。返礼品分だけお得となるのです。

この寄付額の上限は、各ポータルサイトで目安が掲載されていますし、自営業の方などの上限額を計算できるページを備え付けているサイトもありますので、ぜひご自分の場合を確認してみていただけたらと思います。

税金減額の手続きも、サラリーマンの場合は5つの自治体までの寄付には「ワンストップ特例制度」というものが使え、確定申告なしで税控除を受けられます。

具体的には、ある自治体に寄付をするときに、ワンストップ特例制度を利用するか否かを選択する項目があるので、「利用する」を選びます。寄付の受領書が届くと、その中にワンストップ特例制度を利用するために提出する用紙が入っているので、必要項目を記入して寄付をした自治体に返送するだけです。

ますます便利になる寄付方法

寄付をするための「ポータルサイト」はこの数年でかなりの数が増え、特徴も様々です。
たとえば「楽天」のふるさと納税では、楽天ポイントで支払いができますし、寄付をしてもポイントがたまります。

「さとふる」は、特産品のレビューが見られるので、商品選びがしやすい特徴があります。
また「ふるさとチョイス」は古くからポータルサイトを始めており、有名なので聞いたことがある人も多いでしょう。一番取り扱い商品が多く、支払方法も多様です。

その他、KDDIが運営する「Wowma!」、JTBが運営する「ふるぽ」、ANAが運営する「ANAのふるさと納税」など、複数あります。

決済方法も多様化しています。銀行振込、クレジットカード払い、コンビニ払い、ドコモ口座払い、ソフトバンクまとめて決済、auかんたん決済、Pay-easyなど、様々な決済方法を利用できます。どういう決済ができるかは、ポータルサイトにより異なります。

さまざまなポータルサイトを比較してみたいものですが、「マイページ」が設定されているポータルサイトでは、1年間の寄付額の管理ができますので、その活用も検討材料に入れると良いと思います。昨年気に入った商品などもすぐに履歴からわかりますし、今年あといくらふるさと納税ができるかも自動的に表示してくれます。

個人的にはふるさとチョイスにその機能が充実していると感じて利用していますが、他のポータルサイトもあなたに合った管理機能、寄付機能があるかもしれません。仕組みを調べ、自分に合ったサイトを見つけて利用してほしいと思います。