【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25063.89  △64.22 (2/1)
NASDAQ: 7263.87  ▼17.87 (2/1)

1.概況

先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。市場予想を上回る決算を好感したエクソンモービル(XOM)やシェブロン(CVX)の上昇や良好な経済指標を受けてダウ平均とS&P500株価指数は上げたものの、アマゾン・ドット・コム(AMZN)の大幅下落が重石となりナスダック総合株価指数は反落となりました。25ドル高でスタートし193ドル高まで上昇したダウ平均はその後上げ幅を縮めると取引終盤に小幅なマイナスに転じましたが、下げ渋ると引けにかけて持ち直し結局64ドル高の25,063ドルと反発して取引を終えています。またS&P500株価指数も2ポイント高の2,706ポイントと3日続伸となっています。

一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は17ポイント安の7,263ポイントと3日ぶりに反落となりました。

2.経済指標等

1月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比30万4000人増となり市場予想を大きく上回りました。平均時給は前年同月比3.2%増となり市場予想と一致しています。失業率は前月から0.1ポイント上昇し4.0%となっています。また、1月の米ISM製造業景況感指数は56.6と前月から上昇し市場予想も上回りました。

1月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も91.2と速報値から上方修正され市場予想を上回りました。12月の米建設支出も前月比0.8%増となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや情報技術、金融などの6業種が上げ、エネルギーが2%近く上昇しました。一方で一般消費財・サービスや不動産、通信サービスなどの5業種が下げ、一般消費財・サービスは2%近く下落しています。

4.個別銘柄動向

決算で1株利益が市場予想を大幅に上回ったことでエクソンモービルとシェブロンがともに3%以上上昇しました。また、ビザ(V)とインテル(INTC)も3%を超える上昇となったほか、決算で売上高が市場予想を上回ったメルク(MRK)も2%を上回る上昇となり、エクソンモービルとシェブロン、ビザ、インテル、メルクの5銘柄でダウ平均を100 ドル余り押し上げています。さらに好決算と強気な見通しを示したセキュリティーソフトのシマンテック(SYMC)が9%近く上げています。

一方で決算で売上高の見通しが市場予想に届かなかったアマゾン・ドット・コムが5%以上下げています。アマゾン・ドット・コムの大幅下落が他の小売り株に波及しウォルマート・ストアーズ(WMT)やメーシーズ(M)、コールズ(KSS)、ターゲット(TGT)などが2%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は良好な経済指標を受けて0.05%高い2.68%となりました。ドル円は円安に振れ109円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末の米国市場が高安まちまちとなったことから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)