年が明け、1月から家計簿をつけよう、今年こそ投資に回せるお金を作りたい、増やしたい、そう思っている人もいることでしょう。今年から心機一転して始めようという方に、ぜひ取り組んでほしいことがあります。今回はそのご紹介です。

1.支出の流れを把握する

この連載の中でも何度かお伝えしているかと思いますが、家計簿をつけるうえで一番大切なのは、「支出の流れを把握する」ということです。何にいくらのお金を使って生活しているのかを知ると、自分の金遣いのくせ、買ってしまいがちなものがわかります。

この支出の流れがわかると、自分が注意するべきことがわかり、どうすると家計を改善していけるのかということを具体的に考えられるようになります。

家計の把握ができるまでは、家計簿アプリのような自動的に記録されたり集計がされたりするものは、なかなか振り返りをしにくいので、利用は控えましょう。多少面倒でも手書きで記録をつけていくとお金の流れが見えやすくなります。

2.細かく神経質にやらない

数字を書いていくとなると、「563円」とか、「1,342円」という細かい金額を書きたくなりますし、1円単位までキッチリ合わせて計算できると、非常に気持ちが良いものです。ただ、支出の記録は日々のこと。時には面倒にもなりますし、どうしても集計が合わないということも起こりがちです。そうすると、一気にやる気が失せて挫折してしまいます。これが家計簿をつける時に起こりがちなことです。

家計簿は日々の作業。細かい狂いは気にせず、大雑把に把握できればOKです。

細かく気にしてしまう人は、例えばレシートのもらい忘れ1つでもやる気が削がれてしまいます。私たちは税理士でも会計士でもありません。目的はお金の流れを知ることなのですから、ある程度大雑把に、気軽に記録していきましょう。

3.自分の価値観で管理をする

「これは食費かな、これは交際費でいいの?」などと費目の分け方に迷ったりすることも、家計簿を挫折させる要因の1つ。もし、費目で分けるのが苦痛であれば、以前のコラム「自分軸は家計の三分法で作ることができる」でもお伝えした「消費」「浪費」「投資」の3つに振り分けて管理しても良いでしょう。どのタイプの支出だったかを直感的に判断して3つに分けるだけですから、簡単です。

記録したものにマーカーで色分けしていく方法でも良いですし、レシートを3つの袋やカゴなどに分けていくやり方でも良いでしょう。あまり難しく考えずに取り組んでみましょう。

また、費目で続けたとしても、色々なものに影響されず、「自分なり」のやり方を尊重してください。家計を費目別に集計していると、理想割合などを紹介する記事などを時々目にすることもあると思いますが、あれはあくまで目安です。当てはまらないことで一喜一憂せず、自分に必要なものにお金を出し、必要を感じないところは最低限の支出に抑える、そんなメリハリのあるお金の使い方ができる管理を目指しましょう。

4.振り返りをして変えるべき点を1つずつ

家計簿はまず記録して支出の流れを把握できれば、第一段階としてはOKです。次にすることは、家計を改善していくために、「これまでのお金の使い方を振り返る」ということをします。

振り返りとはどうやってするのかと思いますよね。ではまず、そもそも家計簿をつけよう、と思ったのはなぜなのかを考えてみましょう。

お金をもっと貯めたいから? ムダ遣いを減らしたいから? 色々あったはずです。次に、お金を貯めて、またはムダ遣いを減らしてどうしたいのか、その先のことも考えてみてください。貯金だったり、投資の額を増やしたり、きっとやりたいこと、欲しいものが出てくるのではないでしょうか。

それを得るためには、実際の行動が必要です。スマートフォンを格安スマホに変えて使用料を下げたり、生命保険を見直したり、積立投信を始めたりなど、できることはたくさんあります。ただ聞いて、考えているだけではだめなのです。

今年は消費税の増税もありますし、ますます投資をするということに意識が向く年になるのではないかと思います。上手にやりくりし、上手にお金を残していけるよう、まずは身近な家計から、取り組んでいきましょう。