【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 22686.22  ▼660.02 (1/3)
NASDAQ: 6463.50  ▼202.43 (1/3)

1.概況

昨日の米国市場はアップル(AAPL)の業績下方修正や冴えない米国経済指標の発表を受けて大幅反落となりました。ダウ平均は169ドル安でスタートし680ドル安近くまで下落した後320ドル安程度まで昼前に一旦下げ幅を縮めましたが、午後に再び下げ幅を広げると引け間際には707ドル安まで売られました。結局ダウ平均は660ドル安の22,686ドルで取引を終え3日ぶりの反落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も202ポイント安の6,463ポイントと6日ぶりの反落となっています。

2.経済指標等

12月の米ISM製造業景況感指数も54.1と前月から低下し2016年11月以来の低水準となり市場予想も下回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万件増の23万1000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。一方で2018年12月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は27万1000人増となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産と公益事業を除く9業種が下げました。そのなかでも情報技術が5%余り下落したほか、資本財・サービスと素材も3%近く下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)を除く29銘柄が下げました。そのなかでも中国での景気減速が予想以上だったとして2018年10-12月期の売上高が前年同期比5%減の約840億ドルとなり9四半期ぶりの減収となる見通しを発表したアップルが10%近く下げ、ダウ平均を1銘柄で100ドル余り押し下げました。また、インテル(INTC)も5%以上下げたほか、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も4%を超える下落となりました。ボーイング(BA)とキャタピラー(CAT)、スリーエム(MMM)なども4%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、第4四半期の1座席マイル当たり旅客収入が従来予想を下回ると発表したデルタ航空(DAL)が9%近く下げています。製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブ(BMY)もバイオ製薬大手セルジーン(CELG)を総額740億ドルで買収すると発表したことで買収負担を懸念した売りで急落し14%近く下げています。一方でセルジーンは買収価格にさや寄せする格好で20%余り上げています。製薬大手のギリアド・サイエンシズ(GILD)も投資判断の引き上げを受けて3%近く上げました。

5.為替・金利等

昨日の長期金利は前日に比べ0.07%低い2.55%となりました。ドル円は中国や欧州の冴えない経済指標を受けての世界景気の減速懸念に加えて、アップルの業績の下方修正を受けて3日の朝方に薄商いのなか一気に円高が進み一時104円台を付ける場面もありました。本日の朝方は107円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

日本市場が休場中に米国市場でダウ平均が4営業日トータルで453ドル安(昨年の12月28日が76ドル安、31日が265ドル高、2019年1月2日が18ドル高、昨日が660ドル安)となったことに加え、ドル円が大きく円高となっていることから本日の日本市場は大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は20,000円を大きく割り込み下げ幅を広げそうで節目の19,500円も下回りそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)