PORTFOLIO OVERVIEW( 08 Jan 2018)
先週までドルはネット・ロングだったが、ポートフォリオのなかではユーロや円に対してはドルはショートだった。雇用統計が強い数字となるだろうと予想していたためドルのショートを抑えていたが、弱い雇用統計が出た今となっては中期のコア・ポジション、すなわちドルのニュートラル・ポジションに変更した。
ロング通貨は変わらず、円、ユーロ、英ポンドと北欧通貨である。理由もこれまでと同様で、これらの国は経済成長のモメンタムが、時系列的にも、他国との相対的にも高いからである。いまや円が最大のロングとなっている。円はタイトなレンジでの取引が続いてきたが、明確な成長ストーリーが見えてきた。インフレの可能性が確かなものとなりつつあり、日銀はイールドカーブコントロールで抑えている10年債利回りの上限を引き上げるだろう。それが円上昇の引き金になるだろう。
ドルをニュートラルにして、ロング通貨が変わらないのだから、当然ショート通貨も変わらない。コモディティ価格の上昇は、ポートフォリオでショートしているコモディティ通貨にとって追い風である。しかし、これらの通貨は実際には弱含んでいる。米国金利の上昇が背景だろう。当面は米国の成長が、これらの国々より高いため、これらの通貨はショートを維持する。キャリー水準が高いことはいくぶん評価できるが、経済成長で劣る分、キャリーの魅力は薄れてしまう。
FX-1 STRATEGY Current Portfolio as of 08 Jan 2018
「+」の符号はその通貨のロング(買い持ち)を、「-」の符号はショート(売り持ち)を示す
現在のポートフォリオ (Jan 08) |
豪ドル AUD |
ユーロ EUR |
英ポンド GBP |
NZドル NZD |
カナダドル CAD |
スイスフラン CH |
日本円 JPY |
ノルウェークローネ NOK |
スウェーデンクローナ SEK |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
成長要因 | -15.1 | +16.5 | -7.9 | -17.0 | -4.1 | +11.5 | +14.1 | +8.0 | +5.9 |
キャリー | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
バリュエーション | -8.2 | -2.5 | +14.2 | -10.5 | -6.3 | -18.8 | +6.3 | +18.8 | +14.6 |
グローバル・リスク | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
ポジション調整 | +5.0 | +1.3 | +2.5 | +19.0 | -2.2 | -3.2 | +1.9 | -24.8 | -18.6 |
最終ウェイト | -18.2 | +15.3 | +8.8 | -8.5 | -12.5 | -10.5 | +22.3 | +1.9 | +1.9 |
ネットUSD(米ドル)ウエイト:-0.5
前回のポートフォリオ (Jan 02) |
豪ドル AUD |
ユーロ EUR |
英ポンド GBP |
NZドル NZD |
カナダドル CAD |
スイスフラン CH |
日本円 JPY |
ノルウェークローネ NOK |
スウェーデンクローナ SEK |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
成長要因 | -16.5 | +18.9 | -3.1 | -21.4 | -8.2 | +1.1 | +11.6 | +11.7 | +7.4 |
キャリー | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
バリュエーション | -8.2 | -2.5 | +14.1 | -10.4 | -6.3 | -18.8 | +6.3 | +18.8 | +14.7 |
グローバル・リスク | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
ポジション調整 | +6.3 | -2.3 | -1.1 | +21.9 | +1.8 | +2.2 | -2.3 | -28.5 | -20.2 |
最終ウェイト | -18.3 | +14.2 | +9.9 | -9.9 | -12.7 | -15.6 | +15.5 | +2.0 | +1.9 |
ネットUSD(米ドル)ウエイト:+13.1
表の見方について広木が動画(約12分)で解説しています。
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