NYダウ: 26124.57 △60.55 (8/29)
NASDAQ: 8109.69 △79.65 (8/29)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はカナダとの貿易交渉の進展期待やGDPの上方修正を受けて4日続伸となりました。朝方は利益確定の売りに押されて小幅安で推移していたダウ平均ですが下げ渋るとまもなくしてプラスに転じ上げ幅を昼前に100ドル高余りまで広げました。その後やや上げ幅を縮めたダウ平均ですが午後も堅調に推移すると結局60ドル高の26,124ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も16ポイント高の2,914ポイントとなり4日連続で史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も79ポイント高の8,109ポイントとなりこちらも4日連続で史上最高値を付けています。
2.経済指標等
4-6月期の米実質GDP改定値は年率換算で前期比4.2%増と速報値の4.1%増から上方修正され下方修正を見込んでいた市場予想を上回りました。一方で7月の中古住宅販売仮契約指数は前月比0.7%低下の106.2となり上昇を見込んでいた市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、一般消費財・サービスと情報技術が1%を超える上昇となりました。一方で電気通信サービスや不動産などの3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
目標株価の引き上げを好感してアマゾン・ドット・コム(AMZN)が3%を超える上昇となり上場来高値を更新しました。グーグルの持ち株会社のアルファベット(GOOGL)も目標株価の引き上げを受けて1%を上回る上昇となったほか、決済サービスのスクエア(SQ)も目標株価の引き上げを受けて6%余り上げ上場来高値を更新しています。また、iPhoneの新機種を9月に発売すると報じられたアップル(AAPL)も1%以上上げ上場来高値を更新しました。一方でカジュアル衣料のアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(AEO)が6%以上下げました。決算は市場予想を上回りましたが、利益の見通しが市場予想を下回ったことが嫌気されました。スポーツ用品販売大手のディックス・スポーティング・グッズ(DKS)も通期の既存店売上高の見通しを引き下げたことで2%を超える下げとなっています。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの2.88%となりました。ドル円は英ポンドが対円で急伸するなかドルに対しても円売りが優勢となり111円台後半まで円安が進みました。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が引けで節目の23,000円をしっかりと上回って終われるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)