NYダウ: 26064.02  △14.38 (8/28)
NASDAQ: 8030.04  △12.14 (8/28)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は強い経済指標を好感した買いと利益確定の売りが交錯するなか小幅に3日続伸となりました。ダウ平均は70ドル高余りで上値が伸び悩むと昼過ぎや取引終盤に小幅にマイナスとなる場面もみられましたが、直ぐに持ち直すなど一日を通して概ね小幅高で堅調に推移すると14ドル高の26,064ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も0.7ポイント高の2,897ポイントと小幅に続伸し3日連続で史上最高値を更新しました。一時は2,903ポイントまで買われ初めて節目の2,900ポイントを上回る場面もみられました。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も12ポイント高の8,030ポイントとなりこちらも3日連続で史上最高値を付けています。

2.経済指標等
8月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は133.4と2000年10月以来の高水準となり市場予想も上回りました。一方で6月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比6.3%上昇に止まり市場予想に届きませんでした。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち電気通信サービスやエネルギー、素材などの7業種が下げました。一方で不動産や情報技術などの4業種が上げ、不動産は1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向
決算で売上高と1株利益が市場予想を上回り、通期の利益見通しも引き上げた靴小売りチェーンのDSW(DSW)が急伸し20%高となりました。アマゾン・ドット・コム(AMZN)で購入したタイヤの取り付けサービスを全米に広げると発表した総合小売りのシアーズ・ホールディングス(SHLD)も急伸し12%以上上昇しています。さらに市場予想を上回る増収増益の決算を発表したティファニー(TIF)も堅調で1%近く上げました。一方で家電量販店大手のベストバイ(BBY)が5%安となりました。5-7月期決算は市場予想を上回ったものの、8-10月期の1株利益の見通しが市場予想を大幅に下回ったことで売られました。また、食品大手のキャンベル・スープ(CPB)が2%余り下げました。業績不振から身売りを含めた経営戦略の見直しを進めてきましたが、今週中にも身売りしない方針を発表するとみられると伝わったことが嫌気されました。

5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い2.88%となりました。ドル円は111円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国市場が小幅な上昇に止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか利益確定の売りが出やすく昨日に失速した日経平均が堅調な地合いを本日も維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)