NYダウ: 21310.66  ▼98.89 (6/27)
NASDAQ: 6146.62  ▼100.53 (6/27)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は米上院共和党が医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案の採決を7月以降に先送りするとしたことを受けて下落しました。前日終値近辺でのスタートとなったダウ平均は40ドル安近くまで売られると切り返しプラスに転じましたが、オバマケア代替法案の採決先送りを受けて午後に再び売りが優勢になると下げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は98ドル安の21,310ドルと反落し安値引けとなっています。また、主力ハイテク株が売られたことでハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は100ポイント安の6,146ポイントとなり大きな下げとなっています。

2.経済指標等
4月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比5.7%上昇したものの、市場予想は下回りました。一方で6月の米コンファレンス・ボード消費者信頼感指数は118.9と前月から上昇し市場予想も上回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が下げ、情報技術と電気通信サービス、公益事業が1%を超える下落となりました。一方で金融が上げています。

4.個別銘柄動向
EU競争法に違反したとして欧州連合(EU)の欧州委員会が24億2000万ユーロの制裁金の支払いをグーグルに命じたことで2%を超える下落となったアルファベット(GOOGL)を初め、アップル(AAPL)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)、フェイスブック(FB)、ネットフリックス(NFLX)などの主力ハイテク株が軒並み売られました。また、2017年の米新車販売台数の見通しを引き下げたゼネラル・モーターズ(GM)が軟調でした。さらにソフトバンクグループ(9984)傘下のスプリント(S)がCATVのチャーター・コミュニケーションズ(CHTR)とコムキャスト(CMCSA)との提携交渉に入ったと伝わったことで競争激化を警戒した売りからベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)やAT&T(T)が売られ、ベライゾン・コミュニケーションズはダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。一方でスプリントはCATV2社との提携交渉を好感して上げています。市場予想を上回る決算と増配を発表した外食のダーデン・レストランツ(DRI)も買われました。

5.為替・金利等
長期金利はECBのドラギ総裁が金融緩和策の縮小に前向きな姿勢を示したとの見方から欧州の金利が上昇したことを受けて0.07%高い2.20%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ112円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安を受けて本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。ドル円が円安に振れるなか日経平均が5日移動平均線(昨日時点で20,152円)などをサポートに底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)