NYダウ: 21136.23  ▼47.81 (6/6)
NASDAQ: 6275.06  ▼20.63 (6/6)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は8日にコミー前FBI長官の議会証言や英国総選挙、ECB定例理事会などの重要イベントを控え様子見ムードが強まるなか小幅に続落となりました。取引開始直後に65ドル安まで売られたダウ平均は、その後持ち直す場面も何度かみられましたが、前日終値近辺で上値は重く結局47ドル安の21,136ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も20ポイント安の6,275ポイントとなっています。

2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや資本財・サービス、不動産などの9業種が下げました。一方でエネルギーと素材の2業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向
通期の売上総利益が前期から大幅に低下するとの見通しを示した百貨店のメーシーズ(M)が急落しました。こうしたなか他の百貨店株にも売りが広がりコールズ(KSS)やノードストローム(JWN)なども大きく下げています。手芸・家庭雑貨販売のマイケルズ(MIK)も決算が市場予想を下回ったうえ、通期の業績見通しを下方修正したことで大幅安となっています。また、ウォルマート(WMT)もアマゾン・ドット・コム(AMZN)が低所得者向けに会費を引き下げると発表したことで顧客流出懸念から下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。一方で原油価格の上昇を受けてエクソンモービル(XOM)とシェブロン(CVX)が買われ、エクソンモービルはダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。さらにビットコインなど仮想通貨の拡大が半導体需要の拡大につながっているとの見解を示した半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が大幅高となったほか、決算が市場予想を上回る増収となり、通期の業績見通しも引き上げたことで高級ブランドをライセンス生産するG-3アパレル・グループ(GIII)が急伸しています。目標株価の引き上げを受けて電気自動車のテスラモーターズ(TSLA)も堅調でした。

5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い2.14%となりました。こうしたなかドル円ではさらに円高が進み109円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安に加え、円高がさらに進んでいることから本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。昨日は大きく下げながらも5日移動平均線にサポートされた日経平均ですが、本日は一目均衡表の転換線(昨日時点で19,904円)をサポートに下げ渋るかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)