1.概況
本日の日経平均は190円高の1万8620円と反発しました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが、新興市場のマザーズ指数は下落しました。昨日ダウ平均が174ドル高と大きく上昇し、ドル円が109円台前半まで円安に戻したことを受け日経平均は161円高と反発して寄り付きました。日経平均はまもなく上げ幅を110円台まで縮めましたがその後再び上げ幅を広げると前場を159円高と寄り付きとほぼ同水準で終えました。後場に入ってしばらくは前引け水準での推移が続きましたが、14時過ぎから一段高となった日経平均は一時上げ幅が200円を超える時間帯もありました。引けにかけてやや上げ幅を縮めましたが、1日の高値圏で取引を終えています。東証1部の売買代金は2兆2391億円と活況の目安とされる2兆円を上回りました。東証33業種はサービス業を除く32業種が上昇しました。中でもガラス土石製品が2%台の上昇となったほか、電気・ガス業、ゴム製品、海運業、証券商品先物などが高い上昇率となりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね上昇しましたが、一部銘柄が大きく下落しました。任天堂(7974)やソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)の主力どころが上昇した一方で、富士フイルム(4901)と東芝(6502)はそれぞれ大きく下落しました。富士フイルムは連結子会社である富士ゼロックスの海外販売子会社の会計処理について妥当性を確認するため、決算発表予定日を延期すると発表したことが嫌気され4%安となりました。その他材料が出たところでは、アパレルのレナウン(3606)がストップ高となりました。低価格の新ブランドを2018年に投入し世界展開を目指すと報じられたことが材料となりました。一方で昨日決算発表を行った安川電機(6506)が3%近く下げています。昨日発表した今期の純利益予想は実質的に過去最高を更新する見通しとなりましたが、材料出尽くし感が広がったようです。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均の上げ幅は190円と3月28日以来約3週間ぶりの大きさとなりました。今週末から来週にかけては非常に注目度の高いイベントが続きます。まず23日にフランス大統領選の第1回投票が行われます。第1回投票で決着となる可能性は低いと見られていますが、第1回投票の結果次第では極右政党を率いてフランスのEU離脱を主張しているルペン氏の大統領就任可能性が高まる可能性もあり、結果が注目されています。また、来週25日は北朝鮮の軍創建85周年で、その日に軍事的挑発が行われるのではないかとの観測が一部であるようです。さらに、26日・27日に日銀の金融政策決定会合、27日は欧州中央銀行の政策理事会と日欧で中央銀行の政策決定会合が続きます。来週後半からは日本企業の決算発表も徐々に増加してきます。前期業績の着地に加えて、今期の業績予想をどの程度強気で出してくるのか注目されています。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)