NYダウ: 21002.97 ▼112.58 (3/2)
NASDAQ: 5861.22 ▼42.81 (3/2)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は前日に大きく上昇した反動で利益確定の売りが出て反落となりました。小幅に上昇して始まったダウ平均ですが、買いが続かずまもなく売りが優勢となると軟調な展開が続きました。取引終盤で下げ幅を三桁に広げたダウ平均は引け間際に節目の21,000ドルを小幅に割り込みましたが、結局引けは112ドル安の21,002ドルと21,000ドルを維持して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も42ポイント安の5,861ポイントとなりました。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万9000件減の22万3000件と市場予想を下回って改善し1973年3月以来、約44年ぶりの低水準となりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、金融と素材が1%を超える下落となったほか、資本財・サービスも1%近く下げています。一方で公益事業と電気通信サービスの2業種が上げています。
4.個別銘柄動向
米内国歳入庁などの米連邦当局がイリノイ州にある施設3か所を家宅捜索したと伝わったキャタピラー(CAT)が4%を超える下落となりました。ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、キャタピラー1銘柄でダウ平均を30ドル近く押し下げています。また、前日に大きく上げていたJPモルガン・チェース(JPM)も軟調でした。さらに決算が減収減益だった書店チェーン大手のバーンズ・アンド・ノーブル(BKS)が急落したほか、2016年11月-2017年1月の既存店売上高が低迷した食品スーパー大手のクローガー(KR)が大幅安となっています。決算で売上高などが市場予想を下回った鉱山機械のジョイ・グローバル(JOY)も小幅に下げています。一方、決算で売上高全体の6割近くを占める「ホリスター」ブランドの販売が持ち直したことが好感されたカジュアル衣料品大手のアバクロンビー・アンド・フィッチ(ANF)が急伸しています。決算で最終損益が黒字に転換した半導体のブロードコム(AVGO)も堅調でした。2日にニューヨーク証券取引所に上場した写真・動画共有アプリ「スナップチャット」を運営するスナップ(SNAP)は公開価格の17ドルを4割余り上回る24ドルで初値を付け順調な滑り出しをみせると、一時は26.05ドルまで買われる場面もありました。引けは24.48ドルとなっています。
5.為替・金利等
長期金利は米新規失業保険申請件数が低水準となったことで0.02%高い2.47%となりました。こうしたなかドル円はやや円安に振れ114円40銭近辺で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が下落となった一方で、ドル円がやや円安となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか昨日に昨年来高値(19,594円)を更新できなかった日経平均が昨年来高値を引けで上回れるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)