1.概況
本日の日本市場は円高一服で小幅に反発しました。ドル円が112円後半を付けていたことから73円安の19,161円で寄り付いた日経平均は取引開始後5分で120円安近くまで売られましたが、ドル円が113円台を回復し円高が一服となったことから下げ幅を縮め前場は27円安で取引を終えました。6円高とプラスに転じてスタートした後場ですが、今晩の米国市場が休場ということもあって後場の値幅が40円余りに止まるなど様子見となるなか40円高で上値を押さえられると結局16円高の19,251円で取引を終えています。こうしたなか東証1部の売買代金は1兆7127億円と2兆円を8営業日ぶりに下回り今年最低となりました。また、新興市場では東証マザーズ指数が反発したほか、日経ジャスダック平均は7日続伸となり昨年来高値を本日も更新しました。

2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が米携帯電話会社のTモバイルUS(TMUS)の親会社であるドイツテレコムに傘下のスプリント(S)の譲与を提案する方向だと伝わり、スプリント売却で財務体質が改善するとの期待から買われ3.2%高となりました。また、1500億円を上限とする自社株買いを発表したブリヂストン(5108)も5.4%高となり、ソフトバンクグループとブリヂストンの2銘柄で日経平均を40円近く押し上げました。東芝(6502)は分社して設立する半導体メモリー新会社の株式を売却し8000億円規模の資金を調達する計画を進めていると報じられたこともあって5日ぶりに反発しました。しかし、先週末までの4日間で26%余りも下げた割には1.3%高と小幅な上げに止まりました。一方で創業者による株式売却の発表を受けてテンプホールディングス(2181)が4.6%安と大きく下げたほか、16日に発生した物流センターでの火災がいまだ鎮火しないアスクル(2678)が一時5%近く下落しました。2日間で8%以上下げた後ということもあって売り一巡後はさすがに下げ幅を縮め引けは0.2%安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は一時三桁の下げとなりましたが、25日移動平均線(19,122円)や一目均衡表の雲の上限(19,135円)近辺では下げ渋りました。25日移動平均線や一目均衡表の雲の上限での底堅さを確認したことで、為替次第で日経平均が19,500円の節目や昨年来高値を試すような展開もまだまだ期待できそうです。なお、今晩の米国市場はプレジデントデーの祝日で休場となります。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)