NYダウ: 20624.05  △4.28 (2/17)
NASDAQ: 5838.58  △23.68 (2/17)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は小幅に上昇しました。材料に乏しいなか3連休を控え利益確定の売りが出て寄り付き直後に90ドル安近くまで売られたダウ平均はその後も安値圏で軟調に推移しましたが、トランプ政権への政策期待が根強く取引終盤に下げ幅を縮めると引けにかけてプラスに転じ4ドル高の20,624ドルと小幅に上昇し7営業日連続で史上最高値を更新しています。また、S&P500株価指数も3 ポイント高の2,351ポイントと反発し史上最高値を2営業日ぶりに更新しました。さらにナスダック総合株価指数も23ポイント高の5,838ポイントと反発しこちらも2営業日ぶりに史上最高値を付けています。

2.経済指標等
1月の米景気先行指数は前月比0.6%上昇し市場予想を上回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち電気通信サービスや生活必需品、一般消費財サービスなど8業種が上げ、電気通信サービスは1%近く上昇しました。一方でエネルギーと素材、金融の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向
ソフトバンクグループ(9984)が傘下の米携帯電話会社スプリント(S)を同業のTモバイルUS(TMUS)の親会社であるドイツテレコムに譲与を提案する方向だと伝わりスプリントとTモバイルUSがともに大幅高となっています。また、総額1430億ドルで食品・日用品の英蘭ユニリーバに買収を提案した食品大手のクラフト・ハインツ(KHC)が急伸し、決算で1株利益が市場予想を上回った米農業機械大手のディア(DE)も堅調でした。一方で売り上げ見通しの引き下げが嫌気された食品のゼネラル・ミルズ(GIS)や、投資判断の引き下げを受けてレンタカー大手のハーツ・グローバル・ホールディングス(HTZ)が大幅安となっています。決算で売上高が市場予想を下回ったキャンベル・スープ(CPB)も大きく下げています。また、 医療保険のユナイテッドヘルス・グループ(UNH)は、元経営幹部から高齢者向け医療保険制度「メディケア」を巡って米政府に対して不適切な医療費請求があったとして訴えられていましたが、これに司法省も原告に加わったと報じられ3%を超える下げとなりました、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、ユナイテッドヘルス・グループ1銘柄でダウ平均を40ドル近く押し下げています。

5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い2.41%となりました。こうしたなかドル円はさらに円高となり112円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は112円台を付けている円高を受けて続落でのスタートが予想されます。こうしたなか本日もドル円の動向に神経質となりそうですが、日経平均が25日移動平均線(先週末時点で19,116円)や一目均衡表の雲の上限(19,135円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)