1.概況
本日の日本市場は日米首脳会談を終え市場のセンチメントが一段と好転するなか、ドル円が一時114円台を付けるなどさらに円安となったことを受けて続伸となりました。134円高の19,513円と節目の19,500円を上回って寄り付いた日経平均は、朝方の買いが一巡するなかドル円が114円を割り込んだことで10時過ぎに39円高まで弱含みましたが、19,400円を前に底堅さをみせると再び上げ幅を三桁に広げる場面もみられました。持ち直した日経平均は19,500円をわずかに上回ったところで上値を押さえられ寄り付き直後に付けた本日の高値を上回ることはできませんでしたが、その後も19,400円台後半で堅調に推移し結局80円高の19,459円で取引を終えています。また、新興市場では東証マザーズ指数が3日ぶりに反発したほか、日経ジャスダック平均は続伸となり昨年来高値を更新しています。

2.個別銘柄等
決算発表が先週末にピークを迎えるなか決算に株価が大きく反応するものが幾つかみられました。通期の営業利益の見通しを市場予想を上回る水準に引き上げたことで先週末の取引終了後に決算を発表した国際石油開発帝石(1605)が4.9%高、そしてTHK(6481)が4.3%高と大きく上げています。太平洋セメント(5233)も4.2%高となり昨年来高値を更新しました。中間期(2016年4-9月期)まで減益だった営業利益がこの第3四半期(2016年4-12月期)に増益に転じたことが好感さました。一方で通期の売上高と営業利益を下方修正したそーせいグループ(4565)が3.2%安と大きく下げました。ライオン(4912)も7.6%安となっています。5割近い営業増益となった2016年12月期の実績と1割増益の今期見通しを発表しましたが、先週末に上場来高値を付けていたこともあって材料出尽くしから利益確定の売りが嵩みました。また、大塚家具(8186)は2016年12月期の決算が赤字となったことで5.6%安となっています。決算絡み以外ではメガバンクがしっかりでした。引けは小幅な上昇に止まりましたが、三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が一時2%高近くまで上昇して昨年12月12日に付けた昨年来高値を更新し売買代金トップとなっています。米連邦準備理事会(FRB)で金融規制を主導してきたタルーロ理事が4月5日前後に辞任すると伝わったこと受けトランプ新政権での金融規制緩和が加速するとの思惑から買いが入りました。4月1日から売買単位をこれまでの1,000株から100株に変更すると発表した三井不動産(8801)は買い先行でスタートしましたが、買いが続かず0.8%安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
一目均衡表の雲の上限と25日移動平均線を抜けてきたことで上値余地が広がるなか、日経平均は先週末に500円近くも上げた翌営業日にも関わらず利益確定の売りをこなして続伸となりました。日米首脳会談を無事に通過したことで安心感も広がっていることから、今週は日経平均が1月4日に付けた昨年来高値(19,594円)を試しにいく場面がみられるかもしれません。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)