NYダウ: 20269.37  △96.97 (2/10)
NASDAQ: 5734.13  △18.95 (2/10)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は減税などトランプ政権の経済政策への期待が継続し続伸となり、主要3指数が揃って連日で史上最高値を更新しました。上昇して始まったダウ平均は上げ幅を広げると午後には125ドル高まで買われました。20,300ドルを前に上値を押さえられたダウ平均はその後やや上げ幅を縮めたものの96ドル高の20,269ドルと続伸となっています。また、S&P500株価指数も8ポイント高の2,316ポイントとなり4日続伸となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は18ポイントの5,734ポイントとなり4営業日連続で史上最高値を付けています。

2.経済指標等
2月のミシガン大学米消費者態度指数報値は95.7と前月から低下し市場予想も下回りました。1月の米輸入物価指数は前月比0.4%上昇し市場予想を上回りました。輸出物価指数は0.1%上昇し市場予想と一致しています。1月の米財政収支は510億ドルの黒字となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や資本財・サービス、エネルギーなどの10業種が上げました。一方で生活必需品が下げています。

4.個別銘柄動向
2016年11月-2017年1月期の売上高見通しが市場予想ほど落ちこまなかった総合小売り大手のシアーズ・ホールディングス(SHLD)が25%高と急伸しました。また、人工知能(AI)開発に今後5 年で10億ドルを投資し自動運転の開発を加速させると発表した自動車のフォード・モーター(F)が買われたほか、英日用品メーカーからの買収提案を受け入れると発表した粉ミルクメーカーのミード・ジョンソン・ニュートリッション(MJN)が大幅高となっています。一方で業績不振から証券会社が相次いで投資判断を引き下げたツイッター(TWTR)が5 %安と大きく下げています。ATMネットワーク運営のカードトロニクス(CATM)は2017年の1株当たり利益見通しが市場予想を下回ったことで急落となっています。

5.為替・金利等
長期金利は前日比0.01%高い2.40%となりました。ドル円は113円台半ばで推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
日米首脳会談は通貨政策や通商問題に関してトランプ米大統領から批判もなく無事通過したものの、先週末に日経平均が500円近くも上昇していることもあって本日の日本市場は様子見でのスタートが予想されます。こうしたなか寄り付き前の8時50分位には2016年10-12月期のGDP速報値が発表され注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)