すっかり寒くなった。何が、って懐が。とんでもなく浪費し疲れるネットオークションサイトにハマってしまったからだ。3日で足を洗ったので言うほどではないが。だいぶ熱くなってしまったよ。
これが実に「良くできたシステム」なのだ。名前を仮にnineとしよう。
過去において、オークションサイトは利用したことがない俺。締め切り時間まで待っている気力がないと思ったから。しかしnineは違ったのだ。nineでは 締め切り時間は20秒でやって来る。誰かが「買う」意思表示をすると画面上で20秒のカウントダウンが始まる。入札から20秒で締め切りが来るのだ。その間に他者の入札がなければオークションは終わり。最後の入札者が競り落とした、ということになるのだ。より高い値段で入札者があればまたそこから20秒の カウントダウンが始まる。ということだ。ただしその「より高い値段」はnine側で決められている。それは1円刻みだ。1円ごとに最大20秒間の入札が 繰り返されるということなのだ。
「なんだ、簡単じゃないか」と思っただろう。そうなのだ簡単なのだ。しかし問題は「1円刻み」という「時間」なのである。商品の落札値を1万円として計算して 最大20万秒ほどかかるのだ。1円から1万円に値段が上がるまで。1分60秒なので100分は6,000秒。1,000分は60,000秒。3,000分で18万 秒だ。20秒になる前に入札が繰り返されると考えるならこれでほぼ1万円。なんと3,000分=18万秒は50時間なのだ。うげ。丸二日以上となる。
さらにこのシステムが「よくできている」ゆえんは入札にお金がかかることである。入札するにはコインをあらかじめ購入しておかなくてはならない。コインはサイト上で買える。100枚で7,000円くらい。つまり1枚70円。入札一度につき手数料が70円と考えて良い。
さて20秒ごとに入札締め切りが来て、そのたびに70円を必要とされるオークションシステム。そのトップページによればほとんどの品が大変安い価格で落札されているのだ。しかし主催者側は儲かっているのだ。かなりの手数料が取れるからだ。
本来、絶対に競り落としたいと思ったら金額を上げるのがオークションだ。つまり値段で勝負に出る。しかしこのシステムで値段を吊り上げるには時間がかかる。 しかし時間をかけて値段が上がるのを待っている間に入札を繰り返すと手数料がかかるのだ。それがサイト側の収入になる。
参加者は値段がいつまでも安いのでどんどん入札する。1円ずつしか上がっていかないので途中参加者は無尽蔵に現れる。なのでコインを多く買い込んで参加しても終わりがないのだ。ということは参加者が疲れて辞める繰り返し。どんどんサイト側が儲かる仕組みなのだ。
途中で気付いて手を引いた。でもかなり熱くなった。1万5千円は使った。夜中の3時まで頑張った。久々にネット上で大人げない行為に出てしまった。このシステムだと落札者は運の良い人に限られる。あるいはオークション廃人。くわばらくわばら、である。
株価が下がりそう?だね。

サンプラザ中野くん

数々の爆発的ヒット曲を生み出してきた「爆風スランプ」で活躍。自身のホームページでも意外な側面を見ることができる。

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