サンプラザ中野だー!

 株価が下がり続けている。どうやらやつの仕業らしい。それでは今ネットでやたらと盛り上がっている悪魔の怪物「スぷー」のことをお教えしよう。
 それは去る4月の某日。某N○Kの教育チャンネルでの出来事。お兄さんとお姉さんのお絵かき歌の最中のことだ。二人は番組オリジナルのキャラクター「スプー」の似顔絵を歌に合わせて描いていた。右側のお兄さんの書いたスプーはいつものスプーだった。微笑みをたたえていた。しかし画面の左側にいたお姉さんが書いたそのスプーはスプーではなかった。それは誰がどう見ても「悪魔怪獣」だった。口元は醜くゆがみ、その両端は耳元まで裂けていた。目には邪気が宿り、今にもテレビの前の子供達をいたぶり尽くそうとしていた。そして「スぷー」は降臨した。(注「スぷー」という語は「スプー」とは違う物体であることを表すために「サンプラザ中野だー!」がたった今考案した)

 「これはいけない」「日本の、いや世界の子供達をスぷーから守らなくては」とその人が考えたかどうかは知らない。しかしこの「スぷー」降臨の証拠ビデオは何者かによってネットにあげられた。そして世界の人々が「スぷー」降臨を目撃したのだ。YouTubeという動画を簡単に上げられる人気サイトがある。世界の面白ビデオが満載のサイトだ。中には著作権を無視してあげてしまう者もいる。そんなならず者の手によって「スぷー」の存在は世界中に知れ渡った。
 いち早く反応したのが日本人だ。早速その物作りの腕を発揮した。ある人物がその「スぷー」を模型にしたのだ。それはYahooオークションに出品された。絵という2次元から3次元のフィギュアとなった「スぷー」。その魔力の強さからだろう。一瞬にして大人気を博した。子供ばかりか大人までもが「スぷー」に誑かされてしまったのだ。そして悪魔怪獣「スぷー」による人類滅亡が始まった。だから日本株は下がり続けているのだ。そうなのだ。ちなみに「スぷー」は30万円くらいまで値が上がったのだ。