サンプラザ中野だー!

 「株を始めたいんだけど」と言ってくる友人が増えている。もちろん彼らにはマネックス証券を勧めている。「まだ間に合うかしら?」と聞かれそうなものだが、全くない。つまりみんなまだまだ騰がると信じている。そうなのだろうと俺も思っている。しかしこうまでやりたい人が増えると、思い出してしまうエピソードがある。それは以前テレビでやっていた。アメリカの大恐慌前夜の話である。大恐慌前夜に売り抜けて、しかもカラ売りを仕掛けて莫大な財を成した人物が二人いたのだという。一人は大統領を生んだケネディ財閥の創始者ジョセフ・ケネディ。もう一人はチョークボーイから成り上がったジェシー・リバモアである。チョークボーイとは、当時相場情報を伝えるテープを読んで黒板にチョークで書き写す仕事。どちらのエピソードかは定かでないが、内容はこうだ。

 空前の大好況。株式市場も大暴騰していた1929年のニューヨーク。余りの株の暴騰に猫も杓子も株投資を始めていた。そんなときケネディかリバモアのいずれかがウォール街で靴磨きを頼んだ。すると靴磨きの少年がこう言った。「○○の株は買ったかい。凄く騰がるらしいよ」と。その少年の発言に彼の勘が働いた。「市場は暴落する」と。つまり株のかの字も知らない少年が軽口にそんな話をするほどバブルは膨らんでいた、という事である。そして実際大暴落は始まり、彼ら二人は大儲けをした。俺の行く道に靴磨きの少年はいない。だから今のこの状況がどれほどのものかどうにもわからない。わからないけれどもこの逸話で学ぶべき事がある。それは「情報は横にしか伝わらない」ということだ。

 少年は騰がる株の情報を誰に聞いたのだろう?まさか大相場師に直接聞いたわけではないだろう。仲の良いパン屋の丁稚にでも聞いたのだろう。つまり良 い情報は降りてこないのである。降りてくるとしたら、玄人がさんざん仕込んだ後に降りてくるのである。だから初心者諸君。情報に惑わされてはいけない。美味しい情報なんてないと思った方が良い。大儲けなんて望んじゃダメだ。素人は小さく稼ごう。小さい儲けでも満足できるところが素人の武器なのだから。と自分にも言い聞かせる俺である。

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