サンプラザ中野だー!
先日亡くなった本田美奈子.さん。彼女とはデビューの頃から歌番組で良くご一緒した。彼女の方が1年遅いデビューだった。しかし彼女は新人賞を取った売れっ子アイドル歌手。俺は変なロックバンドのボーカル。キラキラと歌い踊る彼女は遠い存在だった。挨拶くらいしかかわしたことはなかった。
長い無沙汰の後、去年の12月1日にお会いした。それは俳優の岸谷五朗が仲間と毎年催すチャリティーコンサート「Act Against AIDS」武道館公演の楽屋だった。初めて会話をした。
「お久しぶりです」「お久しぶりです」「.が付いたんですね」
「ええ」「ほんだみなこドット、って読むんですか?」
「いいえ、.は読まないんです」「そうですか」
これだけの会話だった。彼女はマスクをしていた。多くの出演者でごった返す楽屋だからだと思っていた。でもきっと体調が思わしくなかったのだろう。しかしその夜のパフォーマンスはやはり伸びやかな声で素晴らしかった。闘病お疲れさまでした。合掌。
悲しいことの後は楽しいことを書く。
「藤岡藤巻」というグループを知った。おじさんフォークバンドである。やたらとお可笑しい歌を歌っている。70年代に「まりちゃんズ」というバンドがあった。「ブスにはブスの生き方がある」などの迷作で知られている。そのバンドの残党が「藤岡藤巻」なのである。このバンド名は秋元康氏が付けたと聞く。まあコミックソングを歌うバンドなのだ。コミックソングはお笑いの一種だ。お笑いブームなのでお笑いはモテる。だがしかし笑いを誘うバンドはモテないのだ。お笑いは人を笑わせるが故にお笑いなのだ。だから笑わせることに対して真っ直ぐだ。真っ直ぐなのは男らしい。だから女に分かりやすい。故にモテる。
しかしコミックソングアーティストは真っ直ぐではない。一般的に人は 音楽に何か高尚なものを求める。クラシックの名残であり演奏家への憧 れがあるからだ。なのに可笑しいことを追求するコミックソングアー
ティスト。彼らは理解されにくいのだ。その存在は変化球過ぎる。でも その変化球こそが時代を変える、あるいは時代を切ると俺は思う。コ
ミックソングアーティストが変化球を投げたくなったとき、そして少し の人々がその変化球を受け取りたくなったとき、時代は動くのだと思う。
んー何が言いたいかというと、やっぱり景気が良くなるんじゃない
か、ってこと。藤岡藤巻のホームページでは試聴も可能。そして7年ぶ りの爆風スランプコンサート。今週土曜日にいよいよチケット一般発売 だ。