先ずはお詫びを。昨日のつぶやきですが、平戸藩主・松浦静山による随筆「甲子夜話」の読みを御丁寧に「こうしやわ」と書きましたが、正しくは「かっしやわ」だそうです。甲(きのえ)子(ね)の日に書き出したので甲子夜話と云うそうなのですが、甲子(きのえね)は音読みではかっし。こうしではありません。失礼しました。
この読み方なるものは極めて難しい。今回の過ちは単なる初歩的無教養ですが、町名とか人の名前になると大変です。人の名前は迷ったら音読みで読んでおけ、そうすれば敬称になるから、と中学の国語の先生が云った記憶があるのですが、内容もしくは記憶は本当でしょうか。町名は、正しい読み方を探る方法が中々無かったりしてとても難しいです。江戸の町名には規則性がありますから比較的簡単ですが、それでも例外がありますし、江戸以外では覚えるしかありません。その点英語は簡単ですね。
しかし言葉は生きているので、このデジタル時代に、或る意味で無用な微妙な読み方の違いは徐々に規格化され廃れていくでしょう。寂しいことです。書いてばかりいるからいけないのですね。もっと語らねばならない。このような廃れ方は、何も読み方に限らないかも知れません。技術、こつ、理念、世界観。あらゆるものをもっと周りのみんなと語るように努めていきたいと思います。