「夏枯れ相場」の転換点になってきたレーバーデイ

レーバーデイは、原則として9月第1月曜日である。このため2025年は9月1日だったが、2026年は9月7日の予定となっている。レーバーデイは、経験的には米ドル/円の場合でも、それまでの方向感のない展開が一変、一方向に大きく動き出すタイミングになることが多かった。ではその理由は何か。

9月初めのレーバーデイ明けは、欧米のトレーダーにとっては実質的な夏休み明けに位置づけられる。このため、夏休み明けでトレードを本格再開したトレーダーは、まだリスク許容度に余裕があることから、ポジションを長く維持する可能性が高く、結果として相場も一方向へ大きく動きやすくなると考えられる。過去のケースから、まずはレーバーデイ明けから米ドル一段高が始まった2023年と2022年がどうだったか、振り返ってみる。

レーバーデイ明けから米ドル一段高が始まった2023年と2022年

2023年の場合は、レーバーデイ以前の約3週間、米ドル/円は144円半ば~146円半ば中心の方向感のない展開が続いていた。しかしレーバーデイ明けから、米ドル/円はこのレンジを上放れ、そのまま10月にかけて2022年に続き2年連続で150円の大台トライに向かったのだった(図表1参照)。

【図表1】米ドル/円の日足チャート(2023年8~10月)
(出所:マネックストレーダーFX)

2022年の場合は、レーバーデイ明けから140円の大台を完全に突破すると、一気に145円に迫る動きとなった。この局面で初めて、当時の神田財務官が米ドル売り介入の可能性を強く警告したことから、一旦米ドル高・円安に急ブレーキがかかった。しかし約2週間後に145円を超えて米ドル高・円安が広がると、ついに2011年以来となる日本の通貨当局による為替介入が実現した(図表2参照)。

【図表2】米ドル/円の日足チャート (2022年8~10月)
(出所:マネックストレーダーFX)

レーバーデイ明けから円高が再燃した2024年

これに対して、2024年は7月から8月にかけて、米ドル/円はわずか数週間で約20円もの大暴落が起こった。過去最大規模に膨らんだ投機筋の円売りポジションが消滅する中で起こったこの米ドル/円の大暴落は、「投機円売りバブル」の破裂というものだったのではないか。

しかし急激な円高も8月半ば以降は一服となっていた。レーバーデイ前の2週間、米ドル/円は143円半ば~146円半ばでの方向感のない一進一退が続いた。ところがレーバーデイ明けから米ドル安・円高が再燃し、それまでの米ドル安値の141円を割り込むと139円まで米ドル安・円高が広がった(図表3参照)。

【図表3】米ドル/円の日足チャート (2024年7~11月)
(出所:マネックストレーダーFX)

2025年に米ドル/円の一方向への動きが遅れた理由

2025年は、レーバーデイ明け後も米ドル/円は方向感のない小動きが続き、一方向への大きな動きに向かったのは9月下旬以降と、例年に比べて遅かった。これは当時の石破総理の退陣をめぐる調整が難航したことなどが影響したのではないか。

石破総理の退陣が決まり、その後継を選出する自民党総裁選挙が始まると、米ドル/円の動意も活発化した。そして10月に入り、アベノミクス継承を主張した高市氏の新総裁就任が決まると、米ドル高・円安へ大きく動き出したのはまだ記憶に新しいところである(図表4参照)。

【図表4】米ドル/円の日足チャート (2025年7~10月)
(出所:マネックストレーダーFX)