東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続伸となりました。160円安の38,410円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分で87円安の38,483円まで戻しましたが、その後下げ幅を広げると10時30分前に307円安の38,263円まで下落し246円安の38,324円で前場を終えました。

201円安の38,368円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を縮め13時50分過ぎにプラスに転じると、結局62円高の38,633円と本日の高値圏で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

ワコールホールディングス(3591)が一時5.1%となり上場来高値を更新しました。シンガポールの投資会社の3Dインベストメント・パートナーズがワコールホールディングス株を買い増したことが関東財務局に提出した変更報告書により明らかとなったことで大幅高となりました。

サンケン電気(6707)も一時14.7%高となりました。旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントがサンケン電気の株式を買い増したことが関東財務局に提出した変更報告書により明らかとなったことで買いを集めました。

岩谷産業(8088)も一時3.4%高となりました。9月30日を基準日として1株を4株に分割すると発表したことで投資家層の拡大や流動性の向上を期待した買いが入りました。

また、目標株価の引き上げを受けて第一三共(4568)やいすゞ(7202)が高く、第一三共が一時3.0%高、いすゞも一時3.4%高となりました。

さらに東証スタンダード市場では、日本取引所グループ(8697)がTOPIXの新たな改革案を公表し、新しいTOPIXでは東証スタンダード市場と東証グロース市場からもおよそ50銘柄が加わる見込みと伝わったことから、時価総額の大きい銘柄の一角に思惑買いが入りました。

日本マクドナルド(2702)が一時4.6%高となったほか、住信SBIネット銀行(7163)が一時4.3%高、ワークマン(7564)が一時7.7%高、セリア(2782)も一時5.9%高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は62円高となりました。昨日の米国市場が休場となるなか、欧州市場の主要な株価指数が下落となったことから売りが先行し、一時は300円以上下げる場面もありました。

しかし、一目均衡表の雲の下限(38,353円)を小幅に下回ったところで下げ渋ると後場に入って持ち直しプラスに転じました。そのため一目均衡表の雲の下限がサポートとして意識されそうです。

なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や6月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の米住宅着工件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)