東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は5日ぶりに反落となりました。62円安の29,095円で寄り付いた日経平均は直後に節目の29,000円近くまで下げ幅を広げた後9時10分過ぎに13円安の29,144円まで持ち直しました。しかし、戻し切れないと下げ幅を広げ29,000円を割り込みました。後場に入り12時50分過ぎに226円安の28,931円まで下落した日経平均はその後下げ渋りましたが、29,000円を下回って推移すると結局208円安の28,949円で取引を終えています。一方で新興株は高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

日本たばこ産業(2914)が一時3.9%高となり年初来高値を更新しました。海外でのたばこの値上げや円安により第1四半期の営業利益が前年同期比で15.7%増となり市場予想を上回ったことから上げ幅を広げる場面がありました。本決算を発表した日本航空(9201)も一時2.8%高となりました。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ旅客需要が国内線で回復することなどから2024年3月期の純利益が前期比で59.8%増となる見通しを示したことで買いが優勢となりました。また、投資判断と目標株価の引き上げを受けて年初来高値を更新したのが山崎製パン(2212)やJVCケンウッド(6632)で、山崎製パンが一時5.1%高、JVCケンウッドも一時13.1%高となりました。さらに4月の既存店売上高が好調だったエービーシー・マート(2670)やアダストリア(2685)が堅調で、気温が高い日が続いたことから季節商品の販売が順調で4月の既存店売上高が前年同月比で22.8%増となったエービーシー・マートが一時2.7%高となったほか、気温の上昇により春夏商品の販売が順調で4月の既存店売上高が前年同月比で14.8%増となったアダストリアも一時2.0%高となりました。

一方でファーストリテイリング(9983)が3.1%安となりました。4月の国内ユニクロの既存店売上高が前年同月比で1.7%増に止まり11.9%増だった3月から伸びが大幅に鈍化したことで売りが優勢となりました。ジャムコ(7408)も4.2%安となりました。航空機内装品などで出荷が顧客の納期変更などにより翌期に繰り延べられたことや、一部調達品の価格上昇などもあり2023年3月期の業績予想を下方修正したことから大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は208円安となりました。先週末の米国市場でダウ平均は540ドルを超す大幅高となりましたが、2日から4日の3日間で920ドルを超す下げとなっていたことや、連休前に比べドル円が円高となっていたこともあり売りが優勢となりました。朝方には節目の29,000円を前に下げ渋ると2日の終値近辺まで持ち直す場面もありました。しかし、戻し切れないと下げ幅を広げ29,000円を割り込みました。今週は10日にトヨタ(7203)が決算を発表するなど決算発表が佳境を迎えます。したがってこうしたなかで決算発表などを支えに29,000円を回復して水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、本日も引け後にはJFEホールディングス(5411)やリコー(7752)、川崎汽船(9107)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)