東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに反落となりました。55円安の27,827円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分余りで7円安の27,876円まで持ち直しました。しかし、戻し切れないと下げ幅を大きく広げ、後場寄り直後には253円安の27,630円まで下落し安値を付けました。その後しばらくは安値圏での推移が続きましたが、取引終盤に入って下げ幅を縮めると結局100円安の27,782円で取引を終えています。一方で新興株は堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で主な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%を超す上昇となったことで半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)が高く、東京エレクトロンが配当落ちや株式分割を考慮した基準値比較で一時3.4%高となり、レーザーテックも一時3.5%高となりました。新光電気工業(6967)も基準値比較で一時%4.9%高となりました。

半導体大手の米インテル(INTC)が投資家向けオンライン説明会でデータセンター向け先端半導体など新製品の発売計画を明らかにしたことで、インテル向けにICパッケージを手掛けている新光電気工業に物色の矛先が向かいました。同じくインテル向けにICパッケージを手掛けているイビデン(4062)も高く、基準値比較で一時5.3%高となっています。オリエンタルランド(4661)も基準値比較で一時2.7%高となりました。1株を5株にする株式分割で売買に必要な最低金額が大幅に下がったことを好感した買いが入りました。

また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて島津製作所(7701)やT&Dホールディングス(8795)が高く、投資判断と目標株価の引き上げを受けて島津製作所が基準値比較で一時4.6%高となり、投資判断の引き上げを受けてT&Dホールディングスも基準値比較で一時3.9%高となりました。一方でゼンショーホールディングス(7550)が基準値比較で一時7.9%安となりました。傘下の回転ずしチェーンの「はま寿司」で消費期限切れの食材を提供する行為があったと伝わったことで売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は100円安となりました。昨日の米国市場は米長期金利の上昇一服を受けてハイテク株などが買われたことなどで大幅反発となりましたが、日経平均は配当落ちの影響もあり下落となりました。しかし、250円程度とみられる配当落ちを考慮すると実質的にはプラスだったといえます。そのため三桁の下げとなったものの25日移動平均線(27,625円)を前に下げ渋ったこともあり底堅かったといえそうです。なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や2022年10-12月期の米GDP確定値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)