東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて小幅に反落となりました。159円安の27,741円で寄り付いた日経平均は直後に166円安の27,734円を付けた後持ち直すと10時30分過ぎに60円安の27,840円まで下げ幅を縮め79円安の27,821円で前場を終えました。83円安の27,817円でスタートした後場の日経平均は14時20分過ぎに35円安の27,865円まで持ち直しましたが、戻し切れないと引けにかけてやや下げ幅を広げ結局58円安の27,842円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

政府・与党が防衛費増額の財源に法人税、たばこ税、東日本大震災の復興特別所得税を充てる調整に入ったと伝わったことで財源確保に向け前進したとの見方から防衛関連銘柄が買われました。川崎重工業(7012)が一時4.7%高となり年初来高値を更新したほか、東京計器(7721)が9.1%高、豊和工業(6203)も6.3%高となりました。

また、東証スタンダード市場でも石川製作所(6208)が4.2%高、細谷火工(4274)が9.2%高となっています。さらに日本駐車場開発(2353)や、葬儀やお墓などのポータルサイトを運営する鎌倉新書(6184)が急伸し年初来高値を更新しました。日本駐車場開発は政府の観光促進策や水際対策の緩和などで旅行者数が増加し運営するテーマパーク事業が好調だったことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で88.7%増となったことで23.9%高となり、鎌倉新書も介護施設や老人ホームを紹介する介護事業や、相続手続きを支援する相続事業などが伸びたことなどで第3四半期の営業利益が前年同期比で34.2%増となったことに加え、自社株買いを発表したこともあり17.8%上昇しストップ高となりました。

一方で鳥貴族ホールディングス(3193)が10.8%安となりました。前年同期に営業時間短縮に伴う助成金を計上した反動で第1四半期の純利益が前年同期比で94.0%減となったことで売りがかさみました。物語コーポレーション(3097)も7.6%安となりました。主力の焼き肉部門などが伸び悩んだことなどで11月の既存店売上高が前年同月比0.6%増に止まり10月の16.2%増から伸びが大きく鈍化したことを嫌気した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は58円安となりました。11月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回ったことで米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が警戒され先週末の米国市場が反落となったことで売りが優勢となりました。

しかし、朝方の売り一巡後に下げ渋ると徐々に持ち直し小幅安で取引を終えています。明日は夜に11月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見になりやすいといえます。こうしたなかで引き続き売りが優勢となった場合には底堅さを維持できるかが、反対に買いが優勢となった場合には先週に超えることができなかった25日移動平均線(27,929円)を上回ることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)