【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 29,634.83 ▼403.89 (10/14)
NASDAQ: 10,321.39 ▼327.76 (10/14)
1.概況
先週末の米国市場は長期金利の上昇が重石となるなか前日に大幅高となった反動で利益確定の売りが出て大幅反落となりました。153ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に390ドル高まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ下げ幅を大きく広げました。取引終盤に424ドル安まで下落したダウ平均は結局403ドル安の29,634ドルで取引を終え30,000ドルの大台を割り込んでいます。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も327ポイント安の10,321ポイントと3%を超える下落となり12日に付けた年初来安値(10,417ポイント)を更新しています。
2.経済指標等
9月の米小売売上高は前月比横ばいに止まり市場予想を下回りました。8月の米企業在庫も前月比0.8%増に止まり市場予想を下回りました。9月の米輸入物価指数も前月比1.2%低下し市場予想を下回っています。一方で米輸出物価指数は前月比0.8%低下しましたが市場予想を上回りました。10月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値も59.8と前月から上昇し市場予想も上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも一般消費財・サービスとエネルギー、素材が3%を超える下落となり、情報技術も3%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が下げました。そのなかでもアメリカン・エキスプレス(AXP)とアップル(AAPL)、シェブロン(CVX)が3%を超える下落となったほか、キャタピラー(CAT)とマイクロソフト(MSFT)、ゴールドマン・サックス(GS)、ウォルト・ディズニー(DIS)、ホーム・デポ(HD)、ナイキ(NKE)、セールスフォース(CRM)も2%以上下げています。一方でJPモルガン・チェース(JPM)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、ボーイング(BA)の3銘柄が上げ、決算で1株利益が市場予想を上回ったJPモルガン・チェースは1%を上回る上昇となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の下げが目立ちテスラ(TSLA)が7%を超える下落となり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も5%安となりました。また、半導体株も安くエヌビディア(NVDA)が6%余り下落し、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も5%以上下げました。マイクロン・テクノロジー(MU)とウエスタンデジタル(WDC)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)も4%近く下落しています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は、10月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値で消費者の5年先の物価見通しを示す予想インフレ率が前月比0.2ポイント上昇の2.9%となり、4ヶ月ぶりに上昇に転じたことで米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの見方が強まり0.07%高い4.02%となりました。こうしたなかドル円は148円台後半まで円安が進み1990年8月以来32年ぶりの円安水準となっています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の26,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)