東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて大幅反落となりました。182円安の26,240円で寄り付いた日経平均は直後に148円安の26,273円を付けた後下げ幅を大きく広げると11時20分過ぎに493円安の25,929円まで下落し442円安の25,979円で前場を終えました。461円安の25,960円でスタートした後場の日経平均は一段安となり13時40分前に616円安の25,805円まで下落した後やや持ち直したものの節目の26,000円を下回って推移すると結局484円安の25,937円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

アシックス(7936)が10.7%安となりました。昨日の米国市場で取引終了後にナイキ(NKE)が決算を発表し、中国での売上高が減少していたことなどを理由に時間外で大幅安となったことからアシックスにも連想売りが出ました。西武ホールディングス(9024)も3.8%安となりました。新型コロナウイルス禍で減った外出需要の回復が遅れていることから鉄道業の運輸収入や国内ホテル業の宿泊需要が想定を下回っているため通期の営業利益の見通しを310億円から130億円に下方修正したことで売りが優勢となりました。

かっぱ寿司を運営するカッパ・クリエイト(7421)も3.0%安となりました。田辺公己社長が転職する前に「はま寿司」の仕入れに関する内部データを不正に持ち出した疑いがあり、警視庁が不正競争防止法違反容疑で逮捕状を取ったと伝わったことを嫌気した売りが出ました。

また、昨日の米国市場でゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーター(F)が大きく下げた流れを受けて日本市場でも自動車株の下げが目立ち、トヨタ(7203)が目標株価の引き下げを受けて4.2%安となったほか、日産(7201)が6.3%安、ホンダ(7267)が3.9%安、マツダ(7261)が8.2%安、SUBARU(7270)も6.3%安となりました。

さらに昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%を超す下落となったことで半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が3.5%安、レーザーテック(6920)が4.5%安、SCREENホールディングス(7735)が3.3%安、アドバンテスト(6857)も3.2%安となり、東京エレクトロンとSCREENホールディングス、アドバンテストは年初来安値を更新しました。

一方でDCMホールディングス(3050)が自社株買いと増配を発表したことで10.3%高となり年初来高値を更新し、キユーピー(2809)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時4.1%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は484円安となりました。28日に急低下した米長期金利が再び上昇したことでハイテク株を中心に売りが出て昨日の米国市場が大幅反落となったことで大幅安となりました。節目の26,000円を前に下げ渋る場面もみられましたが、11時頃から下げ幅をさらに広げると26,000円を割り込んでしまいました。そのため下値への警戒感が強く意識されそうですが、25日移動平均線(27,586円)との乖離率がマイナス6%近くまで広がり短期的に売られ過ぎとなっていることから週明け以降の自律反発に期待したいところです。

なお、今週から小売り企業を中心とした2月決算企業の上期決算がスタートしていますが本日も引け後にニトリホールディングス(9843)が決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には8月の米個人所得と個人消費支出(PCE)が発表されるほか、22時45分には9月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)が、そして23時には9月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値が発表される予定です。さらに週明けの8時50分には日銀短観が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)