もち合いを形成中だが、その種類と意味とは?
先週7月12日から今週19日にかけての日経平均株価は、大幅安の後にもち直す展開となり、19日には5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線と3本すべての移動平均線を上回って終える結果となりました。
ただ、5日移動平均線だけが上向きで75日移動平均線と25日移動平均線はわずかに下向きとなっています。移動平均線の向きが揃っていないため、短期、中期、長期の株価の方向にばらつきがあると考えられるわけですが、今回のように移動平均線の向きがバラバラとなっているとき、「もち合い」を形成中と言えます。
もち合いとは、株価の方向が定まらず次の方向を探って動いていることを言い、そのもち合いには、いくつかのパターンがあります。
例えば今回のもち合いは、安値が切り上がり高値が一定となっていることから、安値切り上げ型の三角もち合いと呼ばれ、上値のレジスタンスラインや下値のサポートラインをブレイクした方向にトレンドが発生しやすいとされているものです。
具体的には、6月28日の終値を横に引っ張った水準(27,062円)がレジスタンスラインとなり、6月20日の終値と7月1日の終値を結んで延長した線がサポートラインになり、この2つの線で囲まれたローソク足の形を三角もち合いと呼んでいるのです。
このようなもち合いを形成する中、上値の抵抗線を突破するようですと、これまで埋まらずに残っている6月10日と13日の間にあけた窓に加え、6月9日と10日の窓と、2日と3日の間にあけた窓を埋めることも視野に入るのではないかと考えられ、要注目のタイミングと言えるのです。
その一方、75日移動平均線や5日移動平均線を下回って戻せなくなるようですと、もち合いが継続するか、あるいはサポートラインを割り込むことが考えられると同時に、再び26,000円割れの水準まで下落する可能性が出てきます。
そのため、買いポジションを持っている投資家は売り時を逃さないようにすることに加え、リバウンド狙いの買いは下げ止まりを確認してから行う必要があると思われます。
大きなレンジ内での値動きが継続中だが、窓を埋める可能性も
ただし、レンジスタンスラインを上回って上昇トレンドが発生したとしても、短期的には注意が必要です。なぜなら、28,000円前半の水準にもレジスタンスラインが控えているからです。
チャートを見ると、日経平均は三角もち合いを形成していることに加え、26,000円から28,000円前半までの間のレンジ内での値動きが継続しており、この高値(28,000円前後)と安値(26,000円前後)の水準はほぼ平行で、いわゆる「ボックス型のもち合い」を形成しているからです。
したがって、トレンドが発生したとしても28,000円台前半までの短命で終わることが考えられますので、高値掴みをしないようにすること、また売り時を逃さないようにすること、の2つが重要になってくるのではないかと思われます。
さらに、サポートラインを割り込んでも同様のことが言えます。それは、26,000円前後を安値としたボックスもち合いのサポートラインが株価を支えると考えられるからです。
一方でこのサポート水準を終値で下回るようですと、3月15日と16日にあけた窓を埋めることが視野に入るのではないか思われます。
このように、もち合いを上下どちらかに放れてトレンド発生するようですと、これまで長らく放置されてきた6月と3月にあけた窓のどちらかを埋めることが考えられ、目が離せない1週間になりそうです。