東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日続落となりました。4円安の26,625円とほぼ横ばいで寄り付いた日経平均は直後にプラスに転じましたが、8円高の26,638円で上値が押さえられると直ぐにマイナスとなり10時10分過ぎに223円安の26,406円まで下落し194円安の26,435円で前場を終えました。202円安の26,427円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げ14時30分前に308円安の26,321円まで下落すると結局303円安の26,326円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
関西ペイント(4613)が7.2%高となりました。自己株式を除く発行済み株式総数の11.23%にあたる2900万株と500億円を上限とした自社株買いを発表したことで買いを集めました。本決算を発表した美容健康機器を手掛けるヤーマン(6630)も12.8%高となり年初来高値を更新しました。広告宣伝や事業連携などの積極投資で通販や直販の販路を拡大させることで2023年4月期の営業利益が前期比45.3%増の100億円になるとの見通しを発表したことで買いが膨らみました。
さらに投資判断と目標株価の引き上げを受けて買われたのが豊田自動織機(6201)やSGホールディングス(9143)で、豊田自動織機が一時3.7%高となり、SGホールディングスも一時3.9%高となりました。横浜家系ラーメン店を運営するギフトホールディングス(9279)も一時6.1%高となりました。積極的に店舗数を増やしたことや、ECサイトでの商品販売を本格展開したことなどで上期の営業利益が前年同期比で2.5倍となったことで上げ幅を広げました。しかし、後場に入って売りが優勢になると2.9%安で取引を終えています。
また、パーク24(4666)も8.7%安となりました。コロナ禍で落ち込んだ移動需要が回復し駐車場の稼働が持ち直したことで上期の営業損益が55億円超の黒字に転換しましたが市場予想を下回ったことや、株主優待制度の中止を発表したこともあり売りがかさみました。原油価格の下落を受けて石油関連株も安く、INPEX(1605)が3.7%安、石油資源開発(1662)が4.6%安、出光興産(5019)が3.9%安、ENEOSホールディングス(5020)も3.7%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は303円安となりました。積極的な金融引き締めを警戒した売りが続き昨日の米国市場でダウ平均が続落となったことで売りが優勢となりました。昨日は節目の26,500円を割り込んだところで押し目買いが入り引けにかけて下げ渋ると一目均衡表の雲の下限を上回って取引を終えましたが、本日は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えていることもあり様子見ムードも強く節目の26,500円や一目均衡表の雲の下限(26,510円)を下回ってしまいました。そのFOMCの結果は日本時間の16日午前3時に発表されます。ここにきて0.75%の利上げに踏み切るとの見方も増えるなか、利上げ幅や政策金利の見通しにマーケットがどのような反応をみせるのかが注目されます。また、21時30分には5月の米小売売上高や6月のニューヨーク連銀製造業景況指数も発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)