グランビルの買いシグナル発生後に上昇が続き、窓埋めと新たな窓が発生

先週のコラムでは、「5日移動平均線上を維持できるかが2つ目のゴールデンクロス発生のカギ」と解説しましたが、5月27日に5日移動平均線をかろうじて上回って終えると、今週5月30日には窓をあけて上昇して始まり、これまで上値の壁となって押し返されていた27,000円を一気に上回る結果となりました。

このとき、新たな窓が発生すると同時に4月21日と22日の間に発生した窓を埋めており、株価は窓埋めを達成していることが分かります。

また、5日移動平均線上を維持して株価水準が切り上がっていることから、先週のコラムでも解説した5日移動平均線が75日移動平均線を上回るゴールデンクロスが発生しており、グランビルの法則における買いシグナルが発生していると考えられ、上昇が続くのかどうかが注目されます。

そのような中、今回発生した窓はどの種類の窓と考えればよいのでしょうか。やはり、過去の値幅の範囲内で発生していることから、コモンギャップ(=普通の窓)と考えられ、直ぐに埋めることも考えられるのではないかと思われます。

そのため、5日移動平均線上を維持できずに反落した場合は、窓埋めに注意する必要があるのではないかと考えられ、押し目買いは慎重に行う必要がありそうです。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

上値の抵抗線を突破できるか、2本の移動平均線の向きに注目

そこで注目されるのが、上値の抵抗線の存在です。この抵抗線を突破することができれば、(200日移動平均線がさらに上に控えているものの)上昇トレンド入りが期待されると同時に、4月5日と6日の間にあけた窓を埋めることも視野に入ります。

その反面、上回っても押し返されるようですと、今回発生した窓を埋めるような下落が発生したり、さらにはまだ埋まっていない3月15日と16日の間にあけた窓を埋めたりすることも考えられるのではないかと思われます。

ただ、先週のコラムでもう1つ触れたこととして、5日移動平均線と75日移動平均線の向きがあります。

グランビルの法則では、横ばいや上向きの中長期線を短期線が上回ることがゴールデンクロスとしていますが、今回、ゴールデンクロスが発生した5月30日は2本線ともにわずかに上向きとなっていますが、翌5月31日は下向きに変化しています。

このように方向が定まっていない状況ですので、今後2本の移動平均線が明確に上向きに変化して維持できるかどうかも、本格的に上昇が継続するかどうかのカギを握っているのではないかと思われます。

そのため、株価が上値の抵抗線を突破できずに押し返されたとき、サポートになると考えられる25日移動平均線と75日移動平均線の向きにも注目し、売買判断に役立てたいところです。