2022年のNT倍率の動きはどうなるか?

今年、2021年のNT倍率(日経平均÷TOPIXで算出される指標)は2月からずっと低下基調が続きました。その結果、NT倍率は52週移動平均線(以下、52週線)を上から下抜け、52週線は2018年の夏場から続いた上向きから下向きのトレンドに変わりつつあります。

下向きになるということはTOPIXが優位の局面に変わることを意味します。短期的にはNT倍率が上昇し、日経平均が優位となる場面もあるのでしょうが、2022年は概ねTOPIX優位と考えた方が良さそうです。

TOPIXから見る海運、卸売、保険の株価指数の推移

TOPIXは33業種に分かれます。まず、33業種の中で13週線(3ヶ月平均)と26週線(半年平均)を上回っている6業種の中から、PER(株価収益率)の低い3業種をピックアップすると、海運、卸売、保険となります。

図表1は、その3業種とTOPIXの長期波動の推移をみたものです。特徴的なのは、2007年高値(中央より左側のピンク色で示した部分)に対する現在の株価位置です。

【図表1】業界別株価指数の推移
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

大元のTOPIXは上回っているのに対して、2021年かなり上昇した海運はいまだに上回っていません。保険も海運ほどではないけれど、上回れていません。2008年以降、短期底を切り上げながら上抜けてきたのは卸売だけとなります。来年、2022年の物色を見る上では、卸売がどれだけ上値を伸ばせるかがポイントの1つになりそうです。

卸売といっても、大手総合商社5社に豊田グループの総合商社である豊田通商(8015)を入れると時価総額で60%を超えるため、それらの値動き次第ということになるでしょう。
 
図表2で大手総合商社株の推移を見ると、2019年以降の伊藤忠商事(8001)の快進撃が目立ちます。特に、2019年後半の相対的な強さには目を見張るものがあります。

【図表2】大手総合商社株の推移
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

一方、出遅れ銘柄に着目すると、伊藤忠商事と同様に2007年高値を上抜けていて、直近の2018年高値も超えてきているのは豊田通商です。「青天井」という意味では選好順位でトップとなり、追い上げに期待できそうです。

そして、2007年高値をまだ上回っていない銘柄でいくと、直前の2018年高値を超えたばかりで勢いがある丸紅(8002)、同じく2018年高値を超えたばかりの三菱商事(8058)などが、大手総合商社株の中では選好優位に立っていると見られます。