東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は利益確定の売りが重石となり3日ぶりに反落となりました。日経平均は33円安の28,827円で寄り付くとしばらく昨日の終値を挟んで小幅に揉み合いましたが、10時10分頃からやや売りが優勢になると11時10分過ぎに72円安の28,788円まで下落し42円安の28,818円で前場を終えました。52円安の28,808円でスタートした後場の日経平均は直後にプラスとなりましたが、9円高の28,870円で伸び悩むと売りが優勢となり引けにかけて下げ幅を広げ結局135円安の28,725円で取引を終え安値引けとなっています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場でユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が4%以上上げ、デルタ航空(DAL)とアメリカン航空グループ(AAL)も2%前後の上昇となるなどオミクロン株への警戒感が後退したことで空運株が買われた流れを受けて日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が高く、日本航空が一時3.6%高、ANAホールディングスも一時2.6%高となりました。また、物流大手のSGホールディングス(9143)が3.2%高となりました。前年と比べ平日が1日多かったことや、大規模な電子商取引のイベント開催に伴う需要増が寄与したことで11月の宅配事業の取扱個数が前年同月比5.4%増となったことが好感されました。

さらに半導体シリコンウエハー容器製造のミライアル(4238)や非鉄金属専門商社の白銅(7637)も高く、ミライアルは主力の半導体ウエハー容器などの販売が半導体需要の盛り上がりを追い風に伸びたことなどから第3四半期の営業利益が前年同期比で2.1倍となり会社計画を上回ったことから10.2%高となり、白銅も半導体製造装置向けの部材販売が伸びていることなどから通期の業績予想を上方修正したことで13.5%高となっています。

一方で商業施設などのディスプレーを手掛ける丹青社(9743)が一時3.2%安となりました。新型コロナウイルスの影響で個人消費がさえず企業の販促投資も低迷したことなどから第3四半期の営業利益が前年同期比で79.2%減と大幅な減益となったことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は135円安となりました。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」への警戒感が後退したことで昨日の米国市場は小幅に続伸となりましたが、昨日と一昨日の2日間で大きく上げていたこともあって売りが優勢となりました。しかし、引けにかけて下げ幅を広げ安値引けとなったものの、2日間で930円以上も上げていたことからすると下げ渋ったといえそうです。そのため堅調な地合いは引き続き維持しているといえそうで、こうしたなかで買いが優勢となった場合には一目均衡表の雲の上限(28,881円)や200日移動平均線(28,894円)などを上回ることができるかが明日もポイントとなりそうです。なお、明日は3ヶ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)