東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は新型コロナウイルスの変異株への警戒が続き大幅続落となりました。413円安の28,337円と大きく下落して寄り付いた日経平均ですが下げ幅を縮めると11時前にプラスに転じました。しかし、上値は重く24円高の28,776円で伸び悩むと先週末の終値を挟んで小幅に揉み合い5円安の28,746円で前場を終えました。
148円安の28,602円でスタートした後場の日経平均は再び下げ幅を広げ14時30分に564円安の28,187円まで下落した後引けにかけてやや戻すと結局467円安の28,283円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、東証マザーズ指数は2.9%安となっています。
2.個別銘柄等
変異株の出現で新型コロナウイルスの感染拡大が警戒されるなか巣ごもり関連として任天堂(7974)やウェブ会議システムのブイキューブ(3681)が買われ、任天堂が3.0%高となり、ブイキューブも一時8.5%高となりました。また、ばら積み船の市況を総合的に表すバルチック海運指数が先週末に3%以上上昇したことから大手海運株も高く、日本郵船(9101)が2.4%高、商船三井(9104)が2.3%高、川崎汽船(9107)も2.8%高となっています。
押し目買いが入り半導体関連株の一角も堅調で、なかでもレーザーテック(6920)が4.0%高となっています。さらにメガチップス(6875)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時3.8%高となり、小野薬品工業(4528)も自己株式を除く発行済株式総数2.20%に当たる1100万株と300億円を上限とする自社株買いを発表したことで一時3.0%高となりました。
一方で円高や新型コロナウイルスの感染拡大によるサプライチェーンの混乱を懸念した売りで自動車株が安く、トヨタ(7203)が3.0%安、日産(7201)が5.6%安、ホンダ(7267)が3.8%安、マツダ(7261)が6.8%安、SUBARU(7270)も3.1%安となりました。岸田文雄首相が全世界からの外国人の新規入国を原則停止する方針を明らかにしたことで空運株も安く、日本航空(9201)が4.0%安、ANAホールディングス(9202)も4.1%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は先週末の米国市場でダウ平均が900ドル以上下落し今年最大の下げとなるなか新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」への警戒が続き467円安となりました。前場には時間外で米株価指数先物が大きく上げたこともあって小幅にプラスとなる場面もありました。しかし、上値は重く伸び悩むと岸田文雄首相が新規の外国人の入国を停止すると発表したこともあって後場に再び下げ幅を広げました。
先週末と本日の2日間で1,200円以上下げたこともあり明日以降の反発に期待したいところですが、まずは今晩の米国市場が落ち着きを取り戻して上昇に転じるかがポイントとなりそうです。なお、今晩の米国ではパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長やニューヨーク連銀総裁などの講演が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)