米ドル/円は「三役好転」の強気相場へ
10月の米ドル/円相場は終値で月足の一目均衡表では抵抗帯(雲)を上抜ける結果となりました。雲の上限で一旦頭打ちになる可能性も高いと見ていましたが、上抜けたことで「三役好転」という強気相場(円安トレンド)入りのサインが点灯しました。
過去9ヶ月間の高値と安値の中値を示す「転換線」の上昇も、順調であれば2022年2月頃まで続きます。円安バイアスがかかりやすい要因となり、期末に近づく日本株にとってはフォローの材料となりそうです。
何と言っても、円安方向への騰勢を感じさせるのは、2020年に新型コロナショックによって短期間で乱高下したレンジ(101.17~112.21円)の上限を上抜けてきたことです。そのレンジの値幅が11円程度なので、上限の112.21円に足すと123円程度の上値余地が出てきたような気がします。
ただ、急速に123円まで円安が進行することは想定しづらく、それまでにはいくつかのフシが考えられます。
一目均衡表から見える当面の上値の展開
ここでは、年初来の動きをベースに、一目均衡表の基本計算値を用いて上値のフシを考えたいと思います。
3月31日の高値110.96円から4月23日の安値107.46円までの円高値幅3.5円を、3月31日の高値に足した114.46円、このV計算値が最近の高値114.69円に当てはまったと考えられます。
ここから円安が進行した際の上値のフシを考える場合、重要なのは2021年1月5日につけた安値102.57円からの初動の円安幅です。3月31日につけた110.96円が当面の高値になったため、その差の8.39円が初動の円安幅になります。その値幅を、4月23日安値に足した115.85円がN計算値というフシとなりえます。
さらに上値を見ると、上記の初動の円安幅を、3月31日高値に加えた119.35円がE計算値というフシになりえます。各々の中値も出して以下に列挙しました。
当面の上値のフシ
114.46円(V計算値)
115.15円(V計算値とN計算値の中値)
115.85円(N計算値)
116.90円(V計算値とE計算値の中値)
117.60円(N計算値とE計算値の中値)
119.35円(E計算値)