東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅に7日続落となりました。394円安の28,050円で寄り付いた日経平均は直後に386円安の28,058円までわずかに戻した後下げ幅を大きく広げると10時30分過ぎに984円安の27,460円まで下落しましたが、前引けにかけて下げ幅を縮めると786円安の27,658円で前場を終えました。

さらに下げ幅を縮め613円安の27,831円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに497円安の27,947円まで持ち直した後下げ幅を広げ14時20分前に740円安の27,704円まで下落しましたが、その後やや戻すと結局622円安の27,822円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

ファーストリテイリング(9983)が6.9%安となりました。9月中旬以降に気温が高く推移し秋物商品の販売に苦戦したことでユニクロの9月の国内既存店売上高が前年同月比で19.1%減と大きく減少したことや、日経平均が大幅安となるなかで指数寄与度が大きいこともあって大きく下落し、日経平均を1銘柄で191円押し下げました。

同じく指数寄与度が大きいソフトバンクグループ(9984)も昨日の米国市場でハイテク株が売られたことから3.8%安となり年初来安値を更新し、日経平均を50円押し下げています。さらに昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%を超える下落となったことで日本市場でも半導体関連株が安く、なかでもディスコ(6146)が2.9%安となり年初来安値を更新しています。

一方でWTIの原油先物価格が一時2014年11月以来約7年ぶりの高値を付けたことで石油関連株が高く、資源開発大手のINPEX(1605)が5.6%高となり年初来高値を更新したほか、出光興産(5019)が3.7%高、ENEOSホールディングス(5020)も一時3.2%高となりました。また、投資判断と目標株価の引き上げを受けて第一生命ホールディングス(8750)とT&Dホールディングス(8795)が高く、第一生命ホールディングスが一時3.1%高となり、T&Dホールディングスも一時3.4%高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は622円安となりました。米長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出て昨日の米国市場が大幅安となったことで大きく下げ幅を広げ7日続落となりました。そしてこの間に30,000円、29,500円、25日移動平均線、29,000円、200日移動平均線、28,500円、28,000円と次々と節目を割り込んだことから下値への警戒感が日に日に増す展開が続いていますが、7日間で2,400円以上も下げたことから明日以降の反発に期待したいところです。

なお、小売り企業を中心とした2月決算銘柄の上期決算が本格化していますが本日も引け後にイオンモール(8905)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には8月の米貿易収支が、そして23時には9月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)