東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅に3日続落となりました。572円安の29,611円で寄り付いた日経平均は直後に504円安の29,679円までやや戻した後下げ幅を広げると11時過ぎに825円安の29,358円まで下落し741円安の29,442円で前場を終えました。

716円安の29,467円でスタートした後場の日経平均は13時40分に593円安の29,590円まで持ち直した後下げ幅を広げると14時10分過ぎに854円安の29,329円まで下落しましたが、その後引けにかけて下げ幅を縮めると結局639円安の29,544円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場でハイテク株が売られ主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4%近く下げたことから日本市場でも半導体関連株が売られ、東京エレクトロン(8035)が5.3%安、SCREENホールディングス(7735)が4.3%安、アドバンテスト(6857)が5.6%安、ディスコ(6146)も3.9%安となりました。

また、政府が保有する株式の第3次売却を年内に実施する方向で調整に入ったと伝わったことで日本郵政(6178)が5.7%安となりました。さらに2021年8月期の決算を発表したスポーツ用品大手のヒマラヤ(7514)が第4四半期の3ヶ月間が大幅な減益となったことから13.2%安となり東証1部で下落率トップとなったほか、ヒューリック(3003)も公募増資などで最大1158億円を調達すると発表したことで需給悪化や1株利益の希薄化を嫌気した売りが出て7.4%安となりました。

一方で19都道府県に発令中の緊急事態宣言と8県を対象とするまん延防止等重点措置の全面解除が決まったことで旅行関連が高く、エイチ・アイ・エス(9603)が4.9%高、エアトリ(6191)も9.9%高となり揃って年初来高値を更新しています。居酒屋関連も買われワタミ(7522)が8.0%高、鳥貴族ホールディングス(3193)が3.2%高、串カツ田中ホールディングス(3547)も5.2%高となり、ワタミと串カツ田中ホールディングスは年初来高値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は639円安となりました。昨日の米国市場が米長期金利の上昇を受けてハイテク株を中心に売りが出て大きく下げたことに加えて、180円程度とみられる配当落ちの影響もあって大幅安となりました。後場に入ってやや持ち直したことで節目の29,500円を引けでは上回りましたが、明日も売りが優勢となった場合には29,500円や25日移動平均線(29,405円)を引き続き維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、今週から小売り企業を中心とした2月決算企業の上期決算が徐々に本格化していますが本日も引け後にはDCMホールディングス(3050)や西松屋チェーン(7545)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)