【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,382.13  △360.68 (5/14)
NASDAQ: 13,429.98  △304.99 (5/14)

1.概況

先週末の米国市場は長期金利の低下を受けてハイテク株に買いが入り大幅続伸となりました。ダウ平均は29ドル高でスタートすると一日を通して上げ幅を広げる展開となり取引終盤に432ドル高まで上昇しました。その後引けにかけて上げ幅をやや縮めたダウ平均ですが結局360ドル高の34,382ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も304ポイント高の13,429ポイントとなり2%を超える大幅上昇となっています。

2.経済指標等

4月の米小売売上高は前月比で横ばいとなり市場予想を下回りました。4月の米鉱工業生産指数も前月比0.7%上昇に止まり市場予想を下回りました。設備稼働率も74.9%と前月から上昇したものの市場予想を下回っています。また、5月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値も82.8と前月から低下し市場予想を下回っています。一方で4月の米輸入物価指数は前月比0.7%上昇し市場予想を上回りました。米輸出物価指数も前月比0.8%上昇し市場予想を上回っています。3月の米企業在庫は前月比0.3%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが3%を超える上昇となったほか、情報技術も2%以上上げました。また、一般消費財・サービスも2%近く上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではゴールドマン・サックス(GS)とセールスフォース・ドットコム(CRM)、ボーイング(BA)、シェブロン(CVX)、ダウ(DOW)、インテル(INTC)、マイクロソフト(MSFT)が2%を超える上昇となったほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)とアップル(AAPL)も2%近く上げています。一方で決算で動画配信サービスの会員数の伸びが鈍化したウォルト・ディズニー(DIS)が2%を上回る下落となり、ホーム・デポ(HD)とメルク(MRK)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)が小幅に下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、ハイテク株に買いが入るなか電気自動車のテスラ(TSLA)とフェイスブック(FB)が3%以上上げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も2%を超える上昇となりました。アマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%近く上げています。また、半導体株ではエヌビディア(NVDA)が4%以上上げ、マイクロン・テクノロジー(MU)も3%を超える上昇となりました。クアルコム(QCOM)とアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も2%以上上げています。さらに空運株が高くデルタ航空(DAL)とアメリカン航空グループ(AAL)、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が5%以上上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は4月の米小売売上高が市場予想を下回ったことで0.03%低い1.63%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、日本時間の11時には中国の4月の鉱工業生産指数や小売売上高など中国で多くの経済指標が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)