4年ぶりの「脱・小動き」なのか=米ドル/円

米ドル/円は、2017年以降基本的に52週MA(移動平均線)からのかい離率が±5%のレンジをブレークできない状況が続いてきた(図表1参照)。少なくとも、2000年以降で、今回ほど長く、52週MA±5%レンジをブレークできない状況が続いたことはなかった。

【図表1】米ドル/円の52週MAからのかい離率 (2000年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

こんなふうに、52週MA±5%レンジに注目するのは、結果的にこのレンジをブレークした方向に継続的な相場の動き、つまりトレンドが発生してきたということがある。その意味では、2017年以降、米ドル/円は約4年も、一方向への継続的な動きといったトレンドの発生がない状況が続いてきたわけだ。

米ドル/円の52週MAは、足元で106円程度。じつは、この52週MAを米ドル/円は先週まで5週連続といった具合に「長く」上回った。その上で、当面において111円を上回るようなら、52週MAを2016年以来となる5%以上に「大きく」上回る計算になる。

以上のように見ると、最近にかけての米ドル高・円安は、いわゆる「日柄」の観点でも、そして「価格」の観点でも、それが一時的ではなく継続的な動き、すなわち「トレンド」であり、まさに2016年以来となる米ドル/円のトレンド復活を試す動きになっているといった意味もあるのではないか。

ちなみに、過去の実績を参考にすると、継続的な動き、「トレンド」は一方向に2年以上、2割以上動くのが基本だった(図表2参照)。そんな米ドル高・円安トレンドが展開しているのか、52週MAを目安にしながら、日柄、価格ともに見極めの最終局面を迎えている可能性がありそうだ。

【図表2】2000年以降の米ドル/円のトレンド
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成