【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 31,402.01 ▼559.85 (2/25)
NASDAQ: 13,119.43 ▼478.54 (2/25)
1.概況
米国市場は長期金利の上昇を受けてハイテク株を中心に売りが出て大幅反落となりました。5ドル安でスタートしたダウ平均は大きく下げ幅を広げると昼過ぎに590ドル安程度まで下落しましたが、持ち直すと280ドル安程度まで一旦下げ幅を縮めました。しかし、取引終盤に再び下げ幅を広げると一時は668ドル安まで下落しました。その後引けにかけてやや戻したものの結局559ドル安の31,402ドルで取引を終え5日ぶりに反落となっています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も478ポイント安の13,119ポイントと反落となり3%を超える下落となっています。
2.経済指標等
2020年10-12月期の米実質GDP改定値は前期比年率換算で4.1%増と速報値から上方修正されたものの市場予想を下回っています。また、1月の米中古住宅販売仮契約指数も前月比2.8%低下の122.8となり市場予想を下回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比11万1000件減の73万件となり市場予想を上回る改善となりました。1月の米耐久財受注額も前月比3.4%増となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも一般消費財・サービスと情報技術が3%を超える下落となったほか、コミュニケーション・サービスと素材、エネルギーも2%以上下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はスリーエム(MMM)とジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、メルク(MRK)を除く27銘柄が下げました。そのなかでもボーイング(BA)が5%を超える下落となったほか、インテル(INTC)も4%を上回る下落となりました。また、セールスフォース・ドットコム(CRM)も4%近く下げ、アップル(AAPL)とウォルト・ディズニー(DIS)も3%を超える下落となっています。
ダウ平均構成銘柄以外ではハイテク株が売られるなか主力工場の生産ラインを2週間停止すると伝わった電気自動車のテスラ(TSLA)が8%余り下げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)、フェイスブック(FB)も3%以上下落しています。半導体株も安くエヌビディア(NVDA)が8%以上下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も5%を超える下落となりました。さらにマイクロン・テクノロジー(MU)も5%近く下げたうえ、クアルコム(QCOM)も4%近く下落しました。半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)も7%以上下げています。一方で売上高倍増の3年計画を公表したツイッター(TWTR)が4%近く上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.15%高い1.52%となりました。一時1.61%と昨年2月以来約1年ぶりの水準まで上昇する場面もありました。ドル円は106円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は30,000円の大台を割り込み下げ幅を大きく広げそうですが、押し目買いが入り朝方の売り一巡後に下げ幅を縮めるような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)