決算発表、上方修正ラッシュが期待される
1週間前の金曜日(1月8日)、レポートを書かなかったら、「どうしてレポートを出さないのか」とお叱りを受けた。「特段伝えることもなかったので」と答えると「日経平均が2万8000円をつけたではないか!」とさらに怒られた。日経平均が2万8000円をつけたことの、どこにニュースバリューがあるのだろう。常々、言っている通り、株価は上がっていくものだから、この先も2万9000円になり、3万円になり、3万1000円になっていくだろう。そのたびにレポートを出していくのも、なんだかな~…と言おうとしたが、火に油を注ぐことになりそうなので、黙っておいた。
日経平均は2020年11月に記録的な上昇となり、その過熱感を12月前半の日柄調整で冷まして、12月下旬には「クリスマスラリーへ準備万端整った」と述べた通り、そこから上昇相場の第二幕がスタートした。1月14日の上ヒゲと今日の陰線で、目先は一服か。ただし、またすぐに2万9000円をクリアして、3万円をつけるだろう。今月下旬から始まる4-12月期の決算発表では上方修正ラッシュが期待される。それが契機となって3万円を軽々と超えていくだろう。
日経平均は4万円の大台へ
日経平均3万円は通過点でしかない。その先は89年末の史上最高値3万8915円を更新して、4万円の大台を目指すだろう。そんな先の話ではない。例えば、3万円に達するのは、もう時間の問題だから、そこを起点に考えると、4万円÷3万円=1.33、そこから3割強上げれば到達する。「2021年相場のメインシナリオ」で述べた通り、過去50年間で日経平均が上昇した年は32回。そのうち上位16回の上昇率の平均は約34%である。相場が強ければ1年で届く。
日本株が名実ともに「儲かる資産」に
日本株は、実質的に史上最高値を更新しているといっていい。2020年秋に日経500種が1989年末の史上最高値を抜いたのは話題となったが、実は先週末には配当込みTOPIXも史上最高値を更新した。
これで、日本株の長期保有投資家は、いつ投資したとしても、配当まで考慮したトータル・リターンべースでは誰も損していないということだ。さらに今週はドル建て日経平均が史上最高値を更新した。ドルベースで運用する海外投資家の目にも日本株が歴史的な高値局面に入ったと映っている。当然だがドルで運用してきてこれまでホールドしている投資家はすべて含み益になっている。配当込みTOPIXで運用する機関投資家も、ドルで運用する海外投資家も、日本株で損しているものは誰もいない。日本株が名実ともに「儲かる資産」になったということだ。
いつ、日経平均4万円に到達するのか
ここからは、若干「お遊び」というか「頭の体操」だが、仮に過去1年の日経平均のトレンドが今後も継続したらどうなるか?というのを考えてみよう。
グラフは日経平均の過去1年の自然対数をとったものに回帰直線を引いたものだ。分かりやすいように実数に換算したものが青線(左軸)である。過去1年のトレンドを延長すると、5月か6月に3万円を越え、その1年後には4万円に到達する。
あくまで「仮に過去1年のトレンドが続いたら」という「もしも」の話である。しかし、過去1年と同じトレンドが続かないと否定する理由もないだろう。むしろ過去と同様の投資環境が今後もしばらく続くと考えられる。すなわち、コロナはそう簡単に終息しない、だからこそ財政・金融面の政策サポートが継続する。過剰流動性が引き上げられずに相場を支える一方、ワクチン浸透で経済回復期待も高まる。そういう「コロナ・ゴルディロックス」があと1年程度は続くだろう。そうであれば来年の初夏に日経平均4万円も、あながち夢物語ではないだろう。松飾がとれて1週間だが、まだ正月だ。おめでたい話をしてもバチは当たるまい。