2020年はお金のことを考えさせられた年

間もなく2020年も終わろうとしています。2020年は社会的にも、自分ごととしても、お金のことを考える機会が多かった1年だったと感じています。

まず、コロナ禍に伴う営業自粛や休校・休園等で、多くの方々が休業・欠勤となり、収入が減少するなど生活に大きな影響がもたらされました。そのため、生活費が不足したご家庭もありました。また、在宅時間が多くなったことで、食費や日用品代、水道光熱費などが例年に比べて増加した一方で、交際費や旅行などの娯楽費などが減少したご家庭も多かったことと思います。

また、人々が品薄状態のマスクや消毒液を求めてドラッグストアを廻ったり、価格高騰した商品を飛びつくように購入したりする姿も見られました。このような状況下で、いつもと異なる支出が急に増えた人も少なくないでしょう。

ネットショッピングや宅配サービスも便利になり、キャッシュレス決済で支払う機会も増えました。キャッシュレス決済を導入している店舗も増え、生活する私たちは、その管理にも苦戦したと感じています。

生活様式の変化から、現金を蓄えておくことの大切さを痛感しました。コロナ禍で、年金制度の改革法案が可決されたこともあり、より将来のお金への不安を感じた人もいたでしょう。そこで、2021年は「お金を貯めよう」、「投資をしよう」と思っている人も多いのではないでしょうか。

あと2週間ほどで2021年を迎えます。2020年よりも良いお金の使い方、貯め方ができるよう、今のうちにプランを考えておきましょう。

必要な支出を書き出し、支出予定を把握しよう

2020年はコロナ禍という例年と異なる状況となりましたが、気持ちを新たに2021年の1年間で必要となるであろう支出を書き出してみてはいかがでしょう。固定資産税、自動車税、車検、子どもの学費や生命保険の年払いのほか、帰省費用や旅行費用を挙げる人もいるかもしれません。

休校やテレワークに備えて、自宅のパソコンやタブレットを新調しようという人もいるでしょう。年末にはテレワーク自体が減っているという報道もありますが、一度進化した働き方や学び方、暮らし方は簡単に以前の状況にまで戻ることはないと思います。今後もインターネットにつながる環境や端末は必需品となるでしょう。

必要な支出を書き出したら、その支出がきちんと支払えるように、毎月の家計のやりくりを考えましょう。収入は限られていますから、コントロールしなければなりません。必要な支出はいいと思います、必要であれば支払いましょう。

ただ、不要もしくは優先度の高くない支出は減らすなどして、必要な支出に充てられるように調整をすることが重要です。場合によっては副業を始めたり、投資を始めたりするなど、無理のない範囲で収入を増やすことを検討しても良いでしょう。

このようにして2021年の収入と支出の見通しが立ったら、将来に向けて少しずつ準備する計画も立てましょう。

2021年こそお金を「貯める」計画を立てよう

これまでは「老後2000万円問題」の影響もあり、老後に向けてお金を貯める計画をしていた人も多かったでしょう。しかし2020年は、収入減に備える貯えの必要性をひしひしと感じたのではないかと思います。近い将来と、ずっと先の将来。今すぐ使う分と将来使う分という両方の資金が必要です。

また、お金を貯めるにも目標を持つことが大切です。貯金がない人はまず、貯金を最優先に作るべきです。生活防衛資金として最低限、生活費のおよそ1年分の現金を預貯金などで持ちましょう。収入が減った、病気などで働けなくなったというときに生活を立て直すための資金です。不安な人や自営業の人などは、2年分、3年分を保有しても良いとも思います。

貯金ができたら、将来を目標に投資を始めることを検討してはどうでしょうか。興味があればぜひ、リスクをあまりとらずに始められる「インデックスファンドの積立投資」にチャレンジしていただきたいと思います。

初心者にも始めやすい「つみたてNISA」や、老後資金作りに活用できる「iDeCo(個人型確定拠出年金)」などの制度もあります。

お金については、当たり前のことをコツコツとやることが大切です。今までと世の中が変わったと思うような部分があっても基本的な考え方は同じです。自分の暮らしや考え方を振り返り、2021年のお金について計画を立てていきましょう。