東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株安を受けて大幅下落となりました。日経平均は60円安の23,478円で寄り付くと取引開始から30分余りで102円安の23,437円まで下落しましたが、持ち直すと11時20分前に16円安の23,522円まで下げ幅を縮め29円安で前場を終えました。158円安と下げ幅を広げてスタートした後場の日経平均は14時50分前に368円安の23,170円まで下落し本日の安値を付けると結局353円安の23,185円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
昨日にストップ高となったNTTドコモ(9437)が本日も急伸し20.9%高となりました。NTT(9432)がNTTドコモをTOB(株式公開買い付け)で完全子会社化すると発表したことで3,900円のTOB価格にサヤ寄せする格好で上昇しました。J.フロント リテイリング(3086)も急伸し9.7%高となりました。6月以降に通常営業を再開したことで6-8月期の売り上げが回復したことに加え、広告宣伝費などを削減した効果で通期の事業損益の見通しを80億円の赤字から2億円の黒字へと上方修正したことが好感されました。グリー(3632)も9.2%高と急伸し年初来高値を更新しました。自社株買いを発表したことに加え、国内大手証券が目標株価を引き上げたこともあって買いを集めました。
一方でホームセンター大手のケーヨー(8168)が急落し14.4%安となりました。昨日の取引終了後に上期決算を発表し通期の営業利益の見通しを上方修正しましたが、上期の実績を下回る水準で下期が赤字の計画となっていることが嫌気されました。同じく昨日の引け後に決算を発表したホームセンター大手のDCMホールディングス(3050)とスギホールディングス(7649)も大きく下げました。上期の営業利益は大幅な増益となりましたが材料出尽くしで売りに押されDCMホールディングスが4.7%安、スギホールディングスが7.1%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は353円安となりました。米株価指数先物が米大統領選候補者によるテレビ討論会中に上昇したことで昨日の終値近辺まで下げ幅を縮める場面もありましたが、戻し切れず節目の23,500円を小幅に上回ったところで上値が押さえられるとテレビ討論会ではバイデン前副大統領が優勢だったとの見方から米株価指数先物が下落に転じたこともあって後場に下げ幅を大きく広げました。配当狙いの買いや配当の再投資による先物への買いが期待できなくなったことも下げ幅を広げる展開に繋がったともいえそうで、25日移動平均線(23,278円)を割り込んだことで下値への警戒感が意識されそうです。
なお、2月決算銘柄の上期決算発表が本格化していることから本日も引け後に西松屋チェーン(7545)やアダストリア(2685)などが決算を発表するほか、今晩は9月の米ADP全米雇用リポートや4-6月期の米GDP確定値、9月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)などの発表が予定されています。また、明日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)