【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 27,173.96  △358.52 (9/25)
NASDAQ: 10,913.56  △241.30 (9/25)

1.概況

先週末の米国市場は主力ハイテク株に買いが入り大幅続伸となりました。ダウ平均は欧州や米国の一部地域での新型コロナウイルスの感染再拡大が警戒され120ドル安でスタートすると朝方に180ドル安まで下げ幅を広げましたが、まもなくして持ち直すとプラスに転じ上げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に423ドル高まで上昇したダウ平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局358ドル高の27,173ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も241ポイント高の10,913ポイントとなっています。

2.経済指標等

8月の米耐久財受注額は前月比0.4%増に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が上げました。そのなかでも情報技術が2%以上上昇したほか、不動産も2%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。なかでも欧州航空安全局が2度の墜落事故を起こした737MAXの運航再開を11月中にも承認する可能性があると明かしたことでボーイング(BA)が7%近く上げたほか、アップル(AAPL)も4%近く上昇しました。また、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も3%以上上げ、マイクロソフト(MSFT)とセールスフォース・ドットコム(CRM)も2%を超える上昇となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が目標株価の引き上げを受けて4%を上回る上昇となりました。他の半導体株も総じて堅調でアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が3%近く、クアルコム(QCOM)も2%以上上げています。その他の主力ハイテク株では、電気自動車のテスラ(TSLA)が5%高となり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とフェイスブック(FB)、動画配信のネットフリックス(NFLX)も2%を超える上昇となりました。さらに投資判断の引き上げを受けてクルーズ船のノノルウェージャン・クルーズ・ライン(NCLH)が14%近く上げ、同業のカーニバル(CCL)も10%近く上げています。ロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)も7%以上上昇しています。

一方でコストコ・ホールセール(COST)が1%を超える下落となりました。決算は市場予想を上回りましたが、材料出尽くしから利益確定の売りが優勢となりました。

5.為替・金利等

長期金利は前日比0.01%低い0.65%となりました。ドル円は105円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は権利付き最終売買日であることから配当狙いの買いや、引けにかけて先物に株価指数に連動して運用する機関投資家による配当の再投資の買いがみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)