豪ドルの「一時的な下落リスク」とは?

豪ドル/米ドルなどオセアニア通貨ペアは、おおむね6月以降すでに1ヶ月半以上、52週MA(移動平均線)を上回ってきた。このような値動きは、経験的には上昇トレンドが展開している可能性が高いといえる。

ただし、相場だからもちろん一時的な下落はある。ではその場合の下値メドは、どのように考えたら良いか。今回はそれについて、ボラティリティー(変動率)を参考に、考えてみる。

豪ドル/米ドルなどオセアニア通貨は、総じて今年に入り変動率が急上昇した。月間の高値を安値で割る「月間変動率」で見ると、昨年はおおむね3%前後で推移してきたが、今年に入ってからは基本的に5%を大きく上回る状況が続いた。

月間変動率5%とは、米ドル/円にたとえるなら1ヶ月で105~110円レンジで推移する計算になる。今年の豪ドルは対米ドル、対円で、基本的にはそれを大きく上回る値動きが、6月まで続いてきたわけだ。

ただ7月は、これまでのところの変動率は2%程度にとどまっている。「よく動く豪ドル」が変わったのか、そうではなくて月末にかけて変動率が5%以上に拡大する可能性はまだ残っているのか。

ちなみに、変動率拡大が豪ドル安方向なら、対米ドル、対円の今月中の下値メドは0.67米ドル、72円前後といった計算になる。