米ドル/円の雇用統計相場
1月10日は、今年最初の米雇用統計発表が予定されている。米雇用統計発表日の為替相場も、最近はそれほど大きな動きにならないが、ただ1月はその意味では例外で、ボラティリティー(変動率)へ期待がもてる可能性がありそうだ。
昨年1年間の米雇用統計発表日の米ドル/円値幅を調べると、1円以上は2回しかなく、平均でも0.688円にとどまった(図表1参照)。
【図表1】
ちなみに、昨年のFOMC(米連邦公開市場委員会)政策金利発表日及びその翌日の米ドル/円値幅の平均は、当日が0.654円だったが、翌日は0.897円と、上述の雇用統計発表日の平均値幅を大きく上回った(図表2参照)。以上のように見ると、雇用統計発表日の米ドル/円も昨年はボラティリティーが上がらず、むしろFOMC翌日のボラティリティーが大きかったことがわかる。
【図表2】
ただし、ボラティリティー期待が低下してきた雇用統計相場だが、1月は例外かもしれない。過去5年間の1月雇用統計発表日の米ドル/円値幅は、昨年を含めて4回が1円以上だった(図表3参照)。
【図表3】
米ドル/円の値動きの小幅化が続いているここ数年だが、1月の値幅は4年連続で5円以上といった具合に、例外的に大幅となっていた。さすがに新しい年が始まったばかりで、リスクテイク意欲が旺盛なことから、米ドル/円も大きく動いてきたということだろうか。そしてそういった中では、雇用統計相場も、1月は依然としてボラティリティーが上昇しやすかったということではないか。
かりに、今年の1月雇用統計相場でも、米ドル/円の値幅が1円以上に拡大するなら、米ドル高方向なら110円の大台に乗せる可能性、逆に米ドル安方向なら108円割れとなる可能性もあるだろう。その意味では、テクニカルには当面の米ドル/円の方向を決定づける可能性もありそうだ。