◆1年を通じて起床は毎朝4時だが、この時期は5時前に家を出る。犬の散歩に行くためである。それより遅いと陽が昇り歩ける日陰が減るし気温も上昇する。フレンチブルドッグにとって夏の暑さは大敵。他の犬種に比べて呼吸が難しいので熱が体内にこもり熱中症になりやすい。保冷剤をいくつも体に巻き付けて散歩している。
◆夏の朝は気持ち良いが、それでも朝から暑い。だが、ここ2、3日で朝の空気が冷涼になったように感じる。測ったわけではないので、あくまで個人的な体感によるものかもしれないし、相変わらず日中はうだるような猛暑が続いている。それでも朝、そして夜の風に微妙な変化を感じる。立秋の頃が実際には夏の暑さが最高潮なので「暦の上ではもう秋だが」と決まり文句のように言われることが多いが、暦は意外と正しく季節の変化を知らせてくれるものである。
◆今年は梅雨明けが遅かった。その分、夏本番となった酷暑は例年以上に厳しいものだったが、実質10日でピークは終わったということか。残暑はまだまだ続くだろう。だが、猛暑のピークとの比較ではじゅうぶん耐えられる。
◆株式相場は、夏の嵐が過ぎて夏枯れに入ろうかという雰囲気だ。こちらにも暦らしきものはあるにはあるが、季節と違ってあてにならない。ただし、夏の暑さと同じく、いちばん酷いところは過ぎたのではないか。2万円の節目は割りそうで割らない。全体の上値は重いが、それでも好決算銘柄の買われ方などを見る限り、まだ相場に地力が残っているように思う。これも朝の空気と同じで、あくまで個人的な体感によるものかもしれないが。
◆今日はお盆の迎え火、盆の入りだ。季節の移ろいは、ここからが速度を増す。送り火まではあっという間。土・日が終われば夏休みも終わり、再び日常が戻ってくる。来週の甲子園の決勝が終われば、8月はもう下旬。本格的に涼風が吹くころだ。相場も、そんなふうに読みがたつと良いのだけれど。
- 広木 隆
- マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
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上智大学外国語学部卒。神戸大学大学院・経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。帝京平成大学・人文社会学部経営学科教授。社会構想大学院大学・客員教授。国内銀行系投資顧問、外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任。2010年より現職。
テレビ東京「モーニングサテライト」、BSテレビ東京「NIKKEI NEWS NEXT」等のレギュラーコメンテーターを務めるなどメディアへの出演も多数。
著書:
『ストラテジストにさよならを 21世紀の株式投資論』(ゲーテビジネス新書)
『9割の負け組から脱出する投資の思考法』(ダイヤモンド社)
『勝てるROE投資術』(日本経済新聞出版社)
『ROEを超える企業価値創造』(日本経済新聞出版社)(共著)
『2021年相場の論点』(日本経済新聞出版社)
『利回り5%配当生活』(かんき出版)
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