今週の相場動向

相場回顧 BTC:投資家心理が悪化し大幅下落、一時BTC=100万円(9,200ドル)を割り込む
BTCは、BITPointのハッキング事件やトランプ大統領はじめ米国政府当局がビットコインおよびFacebookのLibraプロジェクトへの懸念を表明したことで、国内外の投資家心理が悪化し下落基調となった。

その中、米中貿易交渉の停滞を懸念し株式為替市場でリスク回避ムードが強まったことも相場を押し下げ、心理的節目となるBTC=108万円(10,000ドル)を割り込んだ。

その後も下落は続き一時BTC=100万円(9,200ドル)を割り込む場面も見られたが、米国上院下院の「Libra」公聴会通過後には買戻し優勢となり、価格はBTC=108万円(10,000ドル)を回復。週足では10%以上の大幅下落となった。

 

今週のトピックス

  • BITPointにおける暗号資産の不正流出に関するお知らせとお詫び、第一報。(7/12)
  • トランプ大統領、Facebookの暗号資産「信頼性得られない」。(7/12)
  • グノシーの福島氏、LayerXをMBO。(7/12)
  • 「Libra」連絡会を設置、金融庁、日銀と財務省。(7/12)
  • G7財務相会合「Libra」議論へ、デジタル課税で米仏対立懸念。(7/12)
  • JVCEAがBITPointにおける暗号資産の不正流出について報告。(7/12)
  • 株式会社Aerial Partnersが暗号資産の確定申告サポート『Guardianプレミアム』を期間限定で受付開始。(7/12)
  • 株式会社HashHubがステーキングポータルサイト「Sanka Network」を公開。(7/12)
  • Coinbase、自社専用の保険会社設立を検討。(7/14)
  • BITPointにおける暗号資産の不正流出に関するお知らせとお詫び、第二報。(7/14)
  • 米民主党、大手ITの金融サービス・暗号資産提供禁止を検討。(7/14)
  • Bitcoin急落、トランプ大統領の暗号資産批判ツイートで。(7/15)
  • IMF報告書:従来の通貨が電子マネーやステーブルコイン に「凌駕される」可能性を示唆。(7/15)
  • FacebookのLibra計画に先行き不透明感、米財務長官も懸念表明。(7/16)
  • 米SEC、FacebookのLibraを監督下に置く可能性検討。(7/16)
  • BITPointにおける暗号資産の不正流出に関するお知らせとお詫び、第三報。(7/16)
  • BITPointがハッキングに関して緊急記者会見を実施。(7/16)
  • Libra「各国規制に従う」、米公聴会で批判や懸念。(7/16)
  • 株式会社GINKANが株式会社オリエントコーポレーションと資本業務提携。(7/17)
  • 株式会社コミュニティオがMicrosoft Teams連携ツール「TeamSticker」を提供開始。(7/17)
  • Libra、米下院公聴会でも不信感あらわ、Facebook批判相次ぐ。(7/17)
  • Coinbaseが暗号資産投資初心者向けのツールをリリース。(7/17)
  • エイベックスがデジタルコンテンツに証明書を付与する技術「A trust」を開発。(7/18)
  • G7各国「Libra」への懸念でおおむね一致。(7/18)
  • 暗号資産版SWIFT創設へ、国際送金時の個人情報共有。(7/18)

来週の相場予想

BTC=108万円(10,000ドル)で反発上昇できるかに注目

Facebookの業界参入期待が高まった5月、そのプロジェクトの詳細が明らかになった6月とBTCは価格を急ピッチで伸ばしてきたが、各国の政府当局者が次々とFacebookのLibraプロジェクトに懸念を示したことで、その期待が次第に剥がれつつある。このまま下落しBTC=100万円(9,200ドル)を割り込めば、6月上昇前のBTC=86万円(8,000ドル)付近まで価格を下げる可能性もあるだろう。

しかし、当局によるLibra懸念の影響は短期的と考える。一部の当局者はイノベーションに一定の理解があり、Libra側も今週の公聴会で当局への対応が済むまでは通貨を発行しない旨を表明し、互いが強く対立することは避けられそうだからだ。これを機に暗号資産の国際規制整備が本格化すれば、業界の健全化が進み、中長期的に相場を押し上げることにもつながる。

直近上値としてBTC=118万円(10,900ドル)、下値としてBTC=108万円(10,000ドル)を意識。

来週のトピックス

  • Vechain(VET)、プロトコルアップグレード予定。(7/22)
  • Future Path of Public Blockchainがホーチミンで開催。(7/23)
  • Mining Disrupt Conferenceがマイアミで開催。(7/23-24)
  • BitcoinSV(BSV)、プロトコルアップグレード予定。(7/24)
  • World Blockchain Summitがシンガポールで開催。(7/25)
  • Bitfinexがeosfinexをローンチ予定。(7/25)
  • TerraCrypto 2019がモスクワで開催。(7/25)
  • P2P Financial Systems 2019がフランクフルトで開催。(7/26)
  • Vietnam Staking Economyがホーチミンで開催。(7/28)

コラム:不快、至福そして一体感「案外水に濡れるのも悪くない」

最近なんだか水に濡れることが多い。梅雨の時期に天気予報を確認せず、家を出る時に傘を持ち忘れたら痛い目にあった。ただでさえ雨の日は気分が憂鬱なのに、体が濡れると大失恋したドラマの主人公にでもなったかのようなどん底の気分になる。普段の生活で雨に濡れて「あぁ、俺は水も滴るいい男や」と自己陶酔する人はまさかいないだろう。もしいたとしたら、そんなことは公衆の面前ではなくお風呂上がりの鏡の前でやってくれ。とにかく私は雨でもなんでも服を着たまま水に濡れるのがあまり好きではない。つい数週間前まではそう思っていた。

前に欅坂46のライブに行った話をしたと思うが、懲りずにまた応募して行ってきた。毎年この時期に富士急ハイランドの野外会場で行われる「欅共和国」は、演出上大量の水を使うことで有名だ。今年は昨年の5倍となる約210トンもの水が使われた。欅坂46のメンバーたちが楽曲を披露しながら会場を動き回り、各所に置かれた消防車並みのどでかいホースで水をファン目掛けてぶちまける。そして、ファンは彼女たちに水をかけられ狂喜する。それが自分の推しメンだった時にはその喜びもひとしおだろう。まさしく濡れるとはこのことである。私もこの時ばかりは推しメン鈴もんに水をかけられ全力で濡れていた。

先週には別の水かけライブにも参戦してきた。千葉の幕張海浜公園で行われたWANIMAのライブである。タイの水かけ祭り×音楽をコンセプトとするEDMフェスとのコラボで、この日は欅共和国を遥かに超える約1,000トンの水が会場全体に撒かれた。エリアによっては砂場が深い水たまりになるほどの半端ない水の量で、会場の全員がびしょ濡れになりながら体を寄せ合い踊り狂う。中には一緒になって大声で歌う人もいれば、歌そっちのけでロック特有のモッシュに全力投球する人もいて、ファン一人一人が好みのスタイルでライブを楽しんでいたが、水に濡れるということが自然と会場の一体感を生み出していた。

雨に濡れて嫌気がさす日常とアイドルに水に濡らされて個人が至福を感じる欅共和国、そして無条件に全員が濡れてその場が一体となるWANIMAライブ。「水に濡れる」という行為一つをとってもこれだけ意味合いが大きく違うのだ。この世の万物は文脈によって如何様にも変わりうる。この当たり前のことを忘れてしまっている人が私の周りには多い気がする。「ビットコインは投機目的の資産だ」と各国当局は主張しているが、時としてそれが外国送金や支払いの手段、ご祝儀などの贈り物として使われても良いではないか。何にでも当てはまることだが、考えを固定することはそこに対立を生む。みんなが柔軟な思考を持った平和な世の中になってほしいものである。

 

編集校正:マネックス仮想通貨研究所